2012年2月13日月曜日

もち米×米麹×米焼酎。 米の掛け算で 生まれる妙味。

みりんひとつで料理の見た目も味わいも全く変わります。
ご存知の方も多いと思いますが、良いみりんを使うと料理がぐっとレベルアップします。味わいに深みが出るだけでなく、照り具合が全然違うんです。

みりんの歴史は古く、中国清明の時代の『湖雅巻八造醸』という書に「密淋(ミイリン)」と呼ばれる甘いお酒があったという記述があります。
「淋」は「したたる」という意味で、密がしたたるような甘い酒と解釈されており、 このようなお酒が、戦国時代の頃、琉球や九州地方に伝来し「蜜淋」「美淋」といった漢字があてられたのだそうです。

本みりんは、蒸したもち米、米麹、焼酎もしくはアルコールを原料にし、四〇日~六〇日間かけて糖化・ 熟成させます。
このあいだに米麹中の酵素が働いて、もち米のデンプンやタンパク質が分解されて各種の 糖類、アミノ酸、有機酸、香気成などが生成され、本みりん特有の風味が形成されるのです。

もち米×米麹×米焼酎。
米の掛け算で生まれる妙味。

この妙味のご経験がまだの方はぜひ一度おためしください。

生酒? しぼりたて? あらばしり?

今回は、この三つのタイプのお酒の違いについてです。
この時期に入荷しているお酒のほとんどのお酒がこのタイプのお酒になります。

「生酒」とは、火入れ(腐敗を防ぐために低温[六〇〜六五℃」で行われる加熱殺菌の行程)という作業を一切していないお酒で、日本酒本来の甘味や酸味、旨味、渋味などを充分に楽しめるお酒です。しかし、火入れをしていないので変化しやすく管理のたいへんなお酒になります。
また「しぼりたて」とは、生酒の中でも上槽したばかりのまだお酒の中に炭酸をわずかに含んだようなフレッシュなお酒の事です。
「あらばしり」とは、槽の中に酒袋を積んでゆくとその重みだけで、白濁したお酒が流れ出てきます。その最初に出てきた部分のお酒の事をいいます。
ちなみに、その次の徐々に圧力をかけはじめた部分を「中取り」最後に圧力をかけきった部分を「責め」と言います。
つまり「生酒」は何年経っていようと「生酒」なのですが、「しぼりたて」「あらばしり」は、その時期にしか味わえない季節商品なのです。

日本酒には季節によってさまざまろなタイプのお酒があります。
冬には、できたてのフレッシュなしぼりたて。または、もろみの残ったにごり酒。
にごり酒でももろみをほんの少しだけ残した霞酒。
夏には、爽やかな生酒。
秋には、味わいのあるひやおろし。
日本人らしく、季節をそれぞれに楽しむ事ができるのです。

この時期にしか味わえない「しぼりたて」。フレッシュでフルーティーな味わいを楽しまないと、もったいないですよ!