2013年10月31日木曜日

今年の出来はいかに?

毎年11月の第三木曜日に解禁される、ボージョレ地方の新酒“ボージョレ・ヌーヴォー”は、フレッシュさを第一に考えられて、9月から10月の収穫後、1ヶ月ほどで造られ全世界へ出荷されます。
通常は、発酵・醸造が行われ翌年以降に飲まれるのですが、ボージョレ・ヌーヴォーは、“マセラシオン・カルボニック”と言う特殊な方法によって通常より早く市場にでてくるのです。
さらに、日付変更線の関係上本国フランスよりも早く楽しむことができるのです。解禁日が味覚の秋真っ只中ということも相まって、“ボージョレ・ヌーボー”は日本で人気を博しているのです。

ちなみに、これまでのボージョレ・ヌーヴォーの評価をならべてみました。

1995年:ここ数年で一番出来が良い
1996年:10年に1度の逸品
1997年:1976年以来の品質
1998年:10年に1度の当たり年
1999年:品質は昨年より良い
2000年:出来は上々で申し分の無い仕上がり
2001年:ここ10年で最高
2002年:過去10年で最高と言われた2001年を上回る出来栄え
2003年:100年に1度の出来
2004年:香りが強く中々の出来栄え
2005年:ここ数年で最高
2007年:柔らかく果実味が豊かで上質な味わい
2008年:豊かな果実味と程よい酸味が調和した味
2009年:50年に1度の出来
2010年:1950年以降最高の出来といわれた2009年と同等の出来
2011年:近年の当たり年である2009年に匹敵する出来
2012年:史上最悪の不作だが、ブドウの品質はよく熟すことができて健全

ボージョレ・プリムール レ・グリオットオススメです!
じっくりと見てみると、う〜ンと首を傾げてしまうようなコメントも多いのですが・・・。
さて今年の評価はいかがなものでしょうか?


※マセラシオン・カルボニック(Maceration Carbonique) 
早飲みのワインによく用いられる製法で、密閉されたタンクにブドウを破砕せずにそのままタンクいっぱいに詰め、ブドウの発酵により発生する炭酸ガス中に数日おく方法。 とてもフルーティーな香りと、飲みやすいフレッシュな味わいの赤ワインができあがります。



2013年10月8日火曜日

日本酒造りに適したお米

 日本酒の原料として使用される米は、主食用の米(飯米)と同じジャポニカ系統の水稲うるち米に属する。日本では多くの品種の米が栽培されており、そのうちのどの品種の米を使っても日本酒を造ることができますが、中でも酒造りに適した米は「酒造好適米」と呼ばれます。酒蔵好適米は、日本の飯米に比べて円大きく(大粒米)、白い真の部分(心白)も大きい上に、タンパク質含有量が少ないという三つの条件を満たした品種なのです。
 代表的な品種は、 「山田錦」、 「 五百万石」、 「美山錦」、 「雄町」なのですが、その生産量はすべての酒造需要をまかなうにはとても及びません。酒蔵好適米は、一般の飯米に比べて栽培が難しいこともということもあります。例えば、大粒米の中でも「雄町」は米粒が大きく優秀な品種ですが、茎が長いため結実期に倒伏し、機械での刈り取りがしにくいという欠点があります。したがって作付面積はなかなか増えず、雄町のように年々減少している品種もあり、価格も高いのです。そのため一般の飯米もかなりの量が酒米として使われているというのが現状なのです。
 玄米の粒の大きさは品種によって違います。粒の揃った玄米1000粒の重量を千粒重といますが、一般の飯米の玄米が20から22gであるのに対して、25g以上のものを特に「大粒米」または「大粒」と呼びます。そして、大粒種の中でも、粒の中心部(心白)が白くうるんで見えるものを「大粒心白米」と言います。
 心白はデンプン粒が荒い部分で、これが大きいと麹カビが繁殖しやすく、麹造りの重要なポイントの1つである破精込み(はぜこみ)が容易になるのです。酒蔵好適米の検査基準では、心白の発現率は80パーセント以上だそうです。また、大粒心拍米は給水も早く、蒸すと粒の外側が硬く内側柔らかい、いわゆる外硬内軟でさばけの良い蒸米になりやすく、酒母もろみの中での消化性が良い、などの特徴があるのです。


2013年10月1日火曜日

お酒もお醤油も・・・

 「日本酒の日」というのをご存知でしょうか。10月1日がその日にあたります。酒に関する漢字ー酌、酔、酩、醪、醸・・・・にはツクリ「酉(とり)」が共通しています。「酉」は酒壷を表す象形文字で、古代にさかのぼるにつれて下のほうがだんだんとすぼみ、その昔、酒を熟成させるために用いた酒壷の形のようにみえます。もとは「酉」だけで酒を意味していましたが、後の液体に表す「サンズイ」がついて今の酒という字になったといわれています。この「酉」は、十二支の中の10番目の「酉」としても使われています。酉の月は十月の新穀の実る月であり、その穫り入れた新穀を使い、酒造りを一斉 に始めた月なので「酒の月」ともされたそうです。そこから 10月から翌年の9月までを酒造年度としていたようで、酒造元日である10月1日が「日本酒の日」となったのです。
 また、同じく10月1日は「しょうゆの日」でもあります。やはり、醤油の「醤」の字にも用いられているからようです。農耕民族であった頃の日本では、春の種蒔き、晩夏から初秋にかけての収穫、収穫後の十月頃には、冬に備え作物を貯蔵・加工するというように、四季に合わせて生活スタイルが変化していました。醤油(しょうゆ)も、新大豆を原料として、晩夏から初冬に新しい「もろみ」を仕込んだといわれています。
 醤油(しょうゆ)の「醤」は、醸造と関わりがあることから分かるのですが、では、「しょうゆ」の「ゆ」に「油」という字を当てた理由はどういうことなのでしょうか?漢和辞典の「油」の項に、「油油(ゆうゆう)」という熟語が取り上げられていますが、これには「ゆるやかに流れるさま」という解釈がついており、「とろりとした液体」という意味があると考えられているようです。室町時代の醤油は、今の「たまり醤油」に近いものであったと伝えられていることから、現代の「濃口醤油」に比べて濃厚で、とろりとしてたため「油」という字を当てたのではないかと考えられるのです。