2013年10月8日火曜日

日本酒造りに適したお米

 日本酒の原料として使用される米は、主食用の米(飯米)と同じジャポニカ系統の水稲うるち米に属する。日本では多くの品種の米が栽培されており、そのうちのどの品種の米を使っても日本酒を造ることができますが、中でも酒造りに適した米は「酒造好適米」と呼ばれます。酒蔵好適米は、日本の飯米に比べて円大きく(大粒米)、白い真の部分(心白)も大きい上に、タンパク質含有量が少ないという三つの条件を満たした品種なのです。
 代表的な品種は、 「山田錦」、 「 五百万石」、 「美山錦」、 「雄町」なのですが、その生産量はすべての酒造需要をまかなうにはとても及びません。酒蔵好適米は、一般の飯米に比べて栽培が難しいこともということもあります。例えば、大粒米の中でも「雄町」は米粒が大きく優秀な品種ですが、茎が長いため結実期に倒伏し、機械での刈り取りがしにくいという欠点があります。したがって作付面積はなかなか増えず、雄町のように年々減少している品種もあり、価格も高いのです。そのため一般の飯米もかなりの量が酒米として使われているというのが現状なのです。
 玄米の粒の大きさは品種によって違います。粒の揃った玄米1000粒の重量を千粒重といますが、一般の飯米の玄米が20から22gであるのに対して、25g以上のものを特に「大粒米」または「大粒」と呼びます。そして、大粒種の中でも、粒の中心部(心白)が白くうるんで見えるものを「大粒心白米」と言います。
 心白はデンプン粒が荒い部分で、これが大きいと麹カビが繁殖しやすく、麹造りの重要なポイントの1つである破精込み(はぜこみ)が容易になるのです。酒蔵好適米の検査基準では、心白の発現率は80パーセント以上だそうです。また、大粒心拍米は給水も早く、蒸すと粒の外側が硬く内側柔らかい、いわゆる外硬内軟でさばけの良い蒸米になりやすく、酒母もろみの中での消化性が良い、などの特徴があるのです。


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