2013年10月1日火曜日

お酒もお醤油も・・・

 「日本酒の日」というのをご存知でしょうか。10月1日がその日にあたります。酒に関する漢字ー酌、酔、酩、醪、醸・・・・にはツクリ「酉(とり)」が共通しています。「酉」は酒壷を表す象形文字で、古代にさかのぼるにつれて下のほうがだんだんとすぼみ、その昔、酒を熟成させるために用いた酒壷の形のようにみえます。もとは「酉」だけで酒を意味していましたが、後の液体に表す「サンズイ」がついて今の酒という字になったといわれています。この「酉」は、十二支の中の10番目の「酉」としても使われています。酉の月は十月の新穀の実る月であり、その穫り入れた新穀を使い、酒造りを一斉 に始めた月なので「酒の月」ともされたそうです。そこから 10月から翌年の9月までを酒造年度としていたようで、酒造元日である10月1日が「日本酒の日」となったのです。
 また、同じく10月1日は「しょうゆの日」でもあります。やはり、醤油の「醤」の字にも用いられているからようです。農耕民族であった頃の日本では、春の種蒔き、晩夏から初秋にかけての収穫、収穫後の十月頃には、冬に備え作物を貯蔵・加工するというように、四季に合わせて生活スタイルが変化していました。醤油(しょうゆ)も、新大豆を原料として、晩夏から初冬に新しい「もろみ」を仕込んだといわれています。
 醤油(しょうゆ)の「醤」は、醸造と関わりがあることから分かるのですが、では、「しょうゆ」の「ゆ」に「油」という字を当てた理由はどういうことなのでしょうか?漢和辞典の「油」の項に、「油油(ゆうゆう)」という熟語が取り上げられていますが、これには「ゆるやかに流れるさま」という解釈がついており、「とろりとした液体」という意味があると考えられているようです。室町時代の醤油は、今の「たまり醤油」に近いものであったと伝えられていることから、現代の「濃口醤油」に比べて濃厚で、とろりとしてたため「油」という字を当てたのではないかと考えられるのです。

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