2011年9月14日水曜日

小さな味噌蔵「かせや」

創業明治15年 130年の歴史を誇る 味噌蔵『かせや』

玄米麹 土壁づくりの麹室にて
 本日、越前市粟田部にある味噌蔵『かせや』さんを訪問してきました。


130年の歴史を誇る味噌蔵で、5代目の味噌職人、鈴木さんに案内していただき、お味噌の勉強をしてきました。


昔ながらの製法を守り、すべて手づくりで行うこの蔵のお味噌は、とても滋味で深い味わい。
味噌蔵ならではの大豆麹

本当に勉強になった時間でした。

驚いたのは麹室。
ここの麹室は、昔ながらの土壁づくりで、とても趣き深いものでした。

麹室をはじめ、蔵の中には130年培った菌が生きているというのが、にじみ出ていました。
菌とともに蔵があり、それをみんなが大切にしている。そんな想いが言葉の節々に感じられました。
お味噌にアツい情熱を傾ける鈴木さん、今日は本当にいい時間をありがとうございました。
お味噌っておもしろい!
発酵食品サイコー!
米麹

2011年9月6日火曜日

世界一堅い食べ物って何だ?

硬い食品と言えば、硬さをウリにした「せんべい」や「堅パン」などがスグに思い浮かぶかと思われます。海外に目を向けると、中国の乾鮑(カンパオ)、ヨーロッパの「干し肉」なども非常に硬い食べ物として有名です。しかし、世界で一番硬い食品となると、ギネスブックでも世界一硬い食べ物として認定されている「かつおぶし(鰹節)」だと思われます。

そのかつおぶしですが、最初から硬いかつおぶしが作られた訳ではありません。日本では、高知県・和歌山県・鹿児島県などでカツオが大量に獲れていましたので、長期間保存するために、カツオを煮て骨を取り除き、数日間いぶしたあと乾燥させた「なまりぶし」と呼ばれるモノがありました。これは古くから日本にあったのですが、その「なまりぶし」は、まだ硬くはなかったのです。

硬いかつおぶしが出来たのは、江戸時代になってからです。なまりぶしを江戸へ運ぶ際、長い輸送の間に、容器やワラに付いていたコウジカビの一種である「カツオブシ菌」が「なまりぶし」の水分を取って身を硬くし、アミノ酸などを濃縮して味も栄養も良くなって素晴らしい食品へと変えていました。それが「かつおぶし」です。カツオブシ菌は、なまりぶしの脂肪分を分解してしまうので、ダシを取る時に脂(あぶら)が浮かばず、栄養満点の透明なダシ汁になります。

洋食の出汁は動物性のものでどうしても脂も出て来てしまうようなものが多いのですが、和食の出汁は違います。鰹や昆布を代表する、脂の出ない澄んだキレイな出汁、和食の世界に例を見ない繊細さのもとはここにあるのではないでしょうか。

黒龍酒造のご案内 その7

黒龍 ひやおろし
720㎖ 1,208円
1,8ℓ 2,415円


 黒龍の本醸造を一度火入れして、ひと夏熟成、原酒のまま生詰めしたお酒です。ほのかな吟醸のような香り、味わいは高いアルコール度数を全く感じさせないまろやかな、しかし、しっかりエキス分を感じさせる濃厚な旨み、適度な甘味、それと絶妙にバランスしている酸味を持つ完成された味わいの「ひやおろし」。
まさに「ひやおろし」とはかくあるべきと、納得させられてしまう一品です。

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秋の味覚に舌鼓

 秋の旬のお酒といえば、やっぱり「ひやおろし」。「ひやおろし」とはどんなお酒かと言いますと、春先にしぼられた新酒は、一度、火入れされたあと、暑い夏の間をひんやりとした蔵で眠ってすごし、熟成を深めます。やがて秋風が吹き始めたら、いよいよ目覚めのとき。ほどよく熟成されたお酒は、二度目の火入れをせずに(通常は火入れという低温加熱殺菌処理を二度行います)、生詰めして出荷されます。その昔、「冷や」のまま貯蔵用の大桶から木樽に「移(おろ)して」樽詰めしたことから、このお酒は「冷移(ひやおろし)」と呼ばれ、秋の酒として珍重されてきました。
昔から「秋酒をもって最上の酒とす」ということが言われています。江戸時代までの秋酒は、醸造技術や保存管理が未発達だったため、その年の米で造った新酒が、一番とされていました。俳句の世界で「新酒」が秋の季語であるゆえんです。
時代は移って今、秋に出るお酒は、昨秋に稔ったお米で昨冬に造ったもの。しかしながら「秋酒をもって最上の酒とす」という言葉は、健在。
日本酒は一年をかけて熟成していきますが、特に暑い盛りの夏を越えると、大変身。気温の高い夏には急速に熟成が進み、味わいが大きく変化します。旨みが増して、まろみを帯びて、もっともバランスのよい状態になるのです。その熟成の旨みを、もっともよく伝えてくれるのが、生詰めのまま出荷される〈ひやおろし〉。
穏やかで落ち着いた香りと、濃醇な味わいが特徴です。まさに円熟の味わい。旨みののった秋の味覚とも、相性ばつぐんの美味しさです。