2009年5月4日月曜日

ウソ?ホント?

味覚分布図のコピー
「味は舌にある味蕾と言う器官で感知し、苦み・酸味・甘み・塩味は別々に感じ取るそれぞれがある。このそれぞれの味蕾は、分布地点が味覚分布図で示すように、おおよそ、決まっている。」
こんな内容を、昔、学校で習った覚えがあります。しかし、分布にはそれほど偏りがないようで、現在、専門家の間では間違いであると言われているようです。
また、みらい味蕾は舌だけでなく、上顎やノドの方にもあるようです。ただし、苦み=毒・酸味=腐ったモノというように人間にとって有害なモノは体内に取り込まないように、それを感知する味蕾は若干舌の奥の方に多いそうです。また、感受性の優先順位があり伝達スピードや解析スピードが速く危険なモノを避けられるシステムが備わっているのだそうです。よって、味覚分布図に示されたように舌先だけで甘みを感じるとか、奥だけで苦みを感じている訳ではないということなのです。
また、辛み・渋みなどはそれぞれ専用の味蕾があるわけではなく、他の味蕾の刺激と複合して痛覚の刺激やイオン?の刺激を感じる事によって取り入れられるということなのです。
実際のところ、きき酒師の勉強などにもこの「舌の味覚分布図」が登場しており、ワイングラスや酒器など、この味覚分布図をもとに作られたもの多いのも事実です。
ではなぜこのような間違いが起こってしまったのでしょうか?1901年にでたドイツ語文献を英訳する時の翻訳ミスが起源であるとされているようです。しかし、元のドイツ語論文自体、かなりあやふやな事実が針小棒大に書かれたとされています。
世の中には、この「味覚分布図」のように謝って常識となっていることはたくさんあるんでしょうねぇ。

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