2011年2月4日金曜日

飢餓状態?!

この時期酒蔵は、限定醸造の大吟醸酒などを発売してきます。この季節に発売される大吟醸酒は、だいたいが今年の一月から二月頃にかけ仕込まれたもので、搾りたてとはまたひと味違った、フルーティーながらもふくよかな風味を持ち合わせています。
「大吟醸酒は最高の酒米を極限まで磨き、蔵人の力を結集して醸した日本酒の最高峰といえる。」とよく言われます。最高の酒米を極限まで磨くとありますが、なぜお米を磨く(削る)必要があるのでしょうか?

お米を削ることによって酵母(アルコールを造り出す菌の一種)の栄養になる分まで削ることになります。すると、酵母がアルコールを造るときに栄養不足になるのです。
酵母にとっては残酷な話なのですが、寒いところで飢餓状態にさせるのです。そうすると酵母は米から造られた糖分を栄養とすることができず、自分で造ったアルコールを栄養にして生きようとするのです。そうすることによって酵母はアルコールと違う物質を造り出してしまうのです。このアルコールと違う物質が「吟醸香」といわれるフルーティーな香りを発するのです。酵母を極限の状態にさせることにより、お米からは全く想像のつかない香りが造りだされるのです。
お正月のめでたいお料理に、最高峰の大吟醸。
想像しただけで、お口の中も、気持ちもめでたくなっちゃいますね。

0 件のコメント:

コメントを投稿