2008年4月29日火曜日

たかが盆栽、されど盆栽

当店の店頭や店内には、小品盆栽といわれる小さな盆栽がいくつかおいてあります。ちょうど一年ほど前から始めたのですが、ようやく草木との楽しみ方がわかり始めた気がします。この一年間は、水やりをしたり、買ってきた素材を鉢に植え替えをしたりといったことしかやっていないのですが、一年を通して、小さな盆栽たちにもいろいろな表情があるのだということがわかりました。鮮やかな新緑をむかえ、緑が濃くなりやがて紅葉し、葉が散って枝振りを楽しむようになる。そして気がつけば枝の先に新芽が出てきて、きれいな花までも咲かせるものもある。一年を通して、これほどまでに植物が表情を変えるなんて思っても見ませんでした。新芽の出てくるこの季節になって特にそのことを思うようになりました。葉っぱ一枚すらなく枝だけだった小さな木達から気づけば鮮やかな緑色の芽が出ていてはっとさせられるとともに、なんだか生命の力強さをまじまじと見せつけられます。新芽が出てくる様子も嬉しいのですが、特に花を咲かせるようなものは、ご褒美をもらったような気持ちになりとても嬉しくなるものです。このときばかりは毎日水をやり続けてきて良かったなという想いが、ジワッと溢れてきます。
盆栽を通して、なんだかいろいろなことを教わります。季節の変化を楽しめる心のゆとり。将来像を思い描いてそこに向かって日々コツコツと進み続けていくことの大切さと難しさ。この一年だけでもこれだけのことを感じることができました。
まさに、たかが盆栽、されど盆栽です。

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