2013年5月31日金曜日

伝統に息づく発酵

今回は、発酵の力で魚介の保存性を高めた、みなさんもご存知の伝統食品をご紹介します。

まずはみなさんも大好きなへしこ。

福井県南部・若狭地方の伝統料理。サバ、イワシなどの魚を塩漬けしたものを、米ぬか、塩、唐辛子などで漬け込み、長いものが一〜二年熟成させます。ぬか床に押し込むことを若狭地方の方言で「へしこむ」ということからついた名だそうです。

つぎは塩辛。

イカ、タコ、エビなど魚介を内蔵とともに塩漬けにし、内臓に含まれる酵素と微生物の力で発酵、熟成させて保存性を高めたもの。麹を加えて発酵を促進するものもあります。
高知県の名物「酒盗」はカツオの内臓の塩辛。韓国ではキムチ作りにアミの塩辛が欠かせないものとなっています。

さて最後は、くさや。

伊豆諸島特産の干物です。
味は塩辛いながらも甘みがありまろやかですが、特徴的な匂いは強烈です。
新鮮な魚の開きを、発酵したくさや液という魚醤のような液体につけて浸透させ、天日干しにします。
以前、バーベキューでくさやの干物を焼いたことがあるのですが、それはそれは臭いものでした。ひとくち口に入れるとくさい臭いは口の中に広がるのですが、味は驚くほどおいしかったことを覚えています。
それにしても日本酒と良く合ったのを覚えています。

魚介の発酵食品は冷蔵庫などない時代に長期保存するために培われてきた昔からの知恵です。
風味が強いのがものが多く、お酒も、白いご飯もついついすすんでしまいますよねぇ。


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