2013年2月5日火曜日

酒飲みのことを・・・


日本には古くから、酒にまつわる洒落言葉や俗語などがたくさんあります。
 
酒飲みのことを「左利き」というのも洒落言葉のひとつです。
一般に右利きの人が多いので、ふつう大工さんはノミを左手に持って(右手で金槌を持つ)お仕事をされます。 この「ノミ」に、「(酒)飲み」をかけて、盃も左手で持つところから「左利き」というようになったといわれています。
この場合、たんに酒を飲む人というより、「飲ん兵衛」を意味することが多いようです。
ここから転じて酒の好きな人を「左党」(「さとう」または「ひだりとう」と読む)といい、お酒のことを「左」ともいうのです。

同じような洒落言葉で、酒飲みのことを、「とら」ということもあります。
これは、中世の*女房詞で、「酒」のことをさした「ささ」に「笹」をかけて「笹に虎」の絵を連想することからという説や、虎の刻(現在の午前四時半頃)まで酒を飲んでいるからとする説などがあるようです。
「左利き」と「虎」。
そのまま酒飲みといわない昔の人たちの風流さ、粋さを感じますねぇ。

*女房詞(にょうぼうことば)
室町時代初期頃から、宮中などに仕える女官たちによって使われ始めた一種の隠語。
上品で優美な言葉として、後には町家の女性にまで広がった。
赤飯などの強飯を「おこわ」、すしを「すもじ」、豆腐を「おかべ」。また、銭を「おあし」という類いのもの。

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