2013年4月11日木曜日

栄養満点の酒粕(その2)


前回に引き続き、酒粕についてのお話です。今回はみなさんが興味をお持ちの美容についてです。ちょっと難しい説明もありますが、読んでみてくださいね。

美容と酒粕について
近頃、以前ちょっと流行したガン黒ちゃんを尻目に、空前の美白ブームです。そんな中、酒粕に含まれるアルブチン入りの美白化粧品をよく見かけるようになりました。どうやら酒粕にはシミ・ソバカスを薄くする効果があるようです。また美白効果だけではなく、保湿保温効果やアトピー等にも効くといわれているのです。
 
果たしてその科学的根拠はどこにあるのでしょうか?シミ・ソバカスは皮膚の色素沈着で起こるものです。その原因はドーパクロムという物質で、この物質がメラニン色素に変化することによって、シミ・ソバカスが出来たり日焼けをしたりするわけです。
 
それではこのドーパクロムはどの様にしてできるのでしょうか?これはチロシナーゼという酵素がアミノ酸の一種に作用してできます。ところがここにチロシナーゼの働きを阻害する酵素を加えると、ドーパクロムは生成されないことが分かっています。そしてこのチロシナーゼの働きを阻害する物質というのが、最近よく話題になっているコレステロールを低下させるのリノール酸やアルブチン等です。不飽和脂肪酸のリノール酸は日本酒の原料である米の中に含まれるものですが、当然日本酒を搾った後の酒粕にも酵母と共に大量に含まれています。この酒粕のエキスを使った実験で、酒粕がドーパクロムの生成を著しく阻害するという結果が発表されているんです。
 
また、最近密かにブームとなっているのが日本酒風呂。これは皮膚を保湿・保温することで美しい肌になるからですが、やはり酒粕にも同じ効果があります。
 
酒粕の成分を調べてみると、タンパク質、繊維質を含む炭水化物、ビタミン類、カルシウム、リン、鉄、ナトリウム、カリウム等の無機質、更にマグネシウム、亜鉛、銅など、他にも数え切れない程様々なものが含まれており、加えて酵母からの核酸類(細胞の老化を抑えるもの)も含んでいるのでした。これらの成分の中に保湿・保温の効果をもっているものがあるわけなんです。これは冷え性の人にもかなり有効です。またこれらの成分はアトピー性皮膚炎にも効果があることが分かっています。つまり酒粕風呂は、保温・保湿・美白等、様々な美容効果と共に、肌の体質改善効果も期待できるという願ったり叶ったりのお風呂なのです。
 
食べて良し、お風呂に入れて良し、この万能選手の酒粕、もう一度見直してみませんか?



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