2013年4月28日日曜日

祭りとお酒の深い関係


5月3日(憲法記念日)。
当店の近くにある神社では春祭りが行われます。
お祭りには昔から、御神酒がつきものなのですが、それは一体なぜなのか、ちょっと調べてみました。

日本では古くから各地でさまざまなお祭りが伝承され、今日も盛んに行われています。
そのような伝統的なお祭りでは、神に供え、また集まった人にもふるまう「祭り酒」がつきものですが、この風習は古代の稲作文化と深い関わりを持っているようです。
水稲耕作の始まった古代日本では、それまでの山への原始的な信仰に加えて、田の神、水の神への信仰も生まれたのです。
山の神はまた水の神であり、さらには農耕神でもあったのです。
そのため、春の籾蒔き前には山の神を田の神として迎えて豊穣を祈願し、秋の収穫が終わると感謝を込めて神を山に送る送迎儀礼が行われるようになったのだそうです。
この農耕儀礼がやがて春秋の神祭へと発展したと考えられています。

昔から、酒は神と人とを結びつけるものであり、同時に人々が一体感を共有するためのものでした。
そのため、特に農民を主体とする庶民層においては、飲酒は多くの場合、集団の儀礼として行われたのでした。
神事祭礼の酒盛りも神を仲立ちとしてひとつの甕の酒を分かち合って酔うことによって、神への畏敬と感謝をあ表し、合わせて仲間意識と結束を強化するものだったのです。
今日の祭りでも神前に御神酒をお供えし、神輿(みこし)の前などで酒を酌み交わしたりするのですが、これは、こうした酒を神との媒介とした時代の名残と考えられているのです。

また、祭りや神事の後の酒盛りはいまでも「直会(なおらい)」が行われます。直会とは、お供えや御神酒をおろして参加者が分かち合う酒宴なのですが、

本来の意味は、神と共飲共食にあります。
つまり、神と同じ酒や食べ物をいただくことで、神と同じ霊力が分け与えられるという古代の信仰の名残なのだそうです。

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