2014年1月10日金曜日

お燗に向いたお酒

日本酒の味や香りは、 400種類以上とも言われる香味成分の複雑多岐なバランスによってつくられています。
そのため、お酒のタイプによっても適温が違うとされるのですが、一概にはいえません。
例えば、吟醸タイプのお酒は冷やして飲むと美味しいというイメージがあるようですが、必ずしもそうではありません。
吟醸酒でも、10℃以下で1年以上熟成させれば、ぬるめの燗をつけてもフルーティーなリンゴ香が、少しも変わらないほど安定したお酒になるものもあります。
実際、純米吟醸酒などでぬる燗をすることをすすめている店もあるほどです。
ただ、フルーツ系のフレッシュな香りを楽しむのタイプのお酒は、温めるとアルコールが立ってしまい、味わいを悪くするものが多いので、吟醸酒や生酒などは、冷やで飲むのが無難ということのなるのです。
特に大吟醸酒に多い、フルーティでしかもシャープなタイプの酒は、冷やで飲むのに適しています。
また、人の味覚は低温では甘みをあまり感じなくなるので、酸味をより強く感じることになるのです。その分、吟醸酒ならではのフレッシュさを味わいやすいということでもあるのでしょう。
一般に、日本酒は温度を高くするほど舌触りがなめらかになり、甘味、酸味、苦味などのバランスが良くなって、より旨味を増すとされます。
ただしお燗にむいているのは、もともと甘みや酸味の強い濃醇タイプのお酒で、奥行きのある味でコクのしっかりとしたお酒質のものなら、常温でも旨味が際立ちます。
反対に、旨味成分の少ない淡麗タイプのお酒は、お燗をすると水っぽくなってしまい、アルコールが舌を刺激にするような傾向が強くなります。
本醸造酒が質の良い普通酒には、香味のバランスがとれていて、しかも安定しているものが比較的多く、その場合は、冷や、常温、燗のどの温度帯にもよく合うのです。
また熟成のすすんだ古酒の場合も、お燗にも冷やにも向くオールマイティータイプのものが多いようです。

美味しいお燗酒が飲みたくなった方はこちら

0 件のコメント:

コメントを投稿