2014年1月9日木曜日

お寿司の原点

究極のスローフードである漬物。
その漬物の中でも異彩を放つのが「かぶら寿司」です。冬の北陸の伝統食で、寒いこの季節にしか食べることが出来ません。
かぶら寿司とは、塩漬けしておいたかぶら(カブ)の輪切りに寒ブリの身をはさみ、麹で漬け込み発酵させたなれずしの一種です。
石川県の郷土食としてよく知られており、富山県でも食されています。
富山県西部ではサバ、東部ではサケをはさみ、かぶらも石川県とは違う種類のものを使うため、味の違いが楽しめるのだそうです。
気温が低い時期にしか作らず、冬のごちそうとして地元の人たちに愛され、お正月料理としても親しまれているのです。身
が厚いカブのサクサクした食感と、上質のハムのような、脂がたっぷりのったブリのうまみ、そして麹の酸味が絶妙にマッチし、ご飯にも酒にも相性抜群です。
江戸時代には現在のものとほとんど変わらないかぶら寿しの記録があるのですが、その発祥は定かでないようです。
かつては高級品で武士階級しか食べられなかったブリを、町民がカブではさみ隠して食べたのが始まりという説や、深谷温泉(石川県金沢市)に湯治に来た前田藩主に提供された料理のひとつが起源とする説があるそうです。
古くは各家庭で漬けていましたが、現在では減少。
ほとんどが市販品となり、冬場なら容易に入手できるようになりました。日が経つにつれ発酵が進み、味が変わるので、早めに食べたほうがよいとされているようです。
「かぶら寿し」「大根寿し」とは、魚介の具とすし飯を合わせた一般的な「寿司」の原型とされております。
おつけもの「寿し」のルーツは、東南アジア山間部の淡水魚の保存方法が発祥とされる「なれずし」とされておりますが、「なれずし」とは、魚介類を主原料とし、ご飯を用いて乳酸発酵させた保存食品であります。
(「なれ」は「熟れ」と書きますが、発酵によって魚が熟成していくさまを表しております。)
発酵食品は体の免疫力を高めてくれます。
このかぶら寿司もそのひとつです。
免疫力を高めてこの冬を風邪しらずで乗り越えましょう!

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