2008年4月29日火曜日

たかが盆栽、されど盆栽

当店の店頭や店内には、小品盆栽といわれる小さな盆栽がいくつかおいてあります。ちょうど一年ほど前から始めたのですが、ようやく草木との楽しみ方がわかり始めた気がします。この一年間は、水やりをしたり、買ってきた素材を鉢に植え替えをしたりといったことしかやっていないのですが、一年を通して、小さな盆栽たちにもいろいろな表情があるのだということがわかりました。鮮やかな新緑をむかえ、緑が濃くなりやがて紅葉し、葉が散って枝振りを楽しむようになる。そして気がつけば枝の先に新芽が出てきて、きれいな花までも咲かせるものもある。一年を通して、これほどまでに植物が表情を変えるなんて思っても見ませんでした。新芽の出てくるこの季節になって特にそのことを思うようになりました。葉っぱ一枚すらなく枝だけだった小さな木達から気づけば鮮やかな緑色の芽が出ていてはっとさせられるとともに、なんだか生命の力強さをまじまじと見せつけられます。新芽が出てくる様子も嬉しいのですが、特に花を咲かせるようなものは、ご褒美をもらったような気持ちになりとても嬉しくなるものです。このときばかりは毎日水をやり続けてきて良かったなという想いが、ジワッと溢れてきます。
盆栽を通して、なんだかいろいろなことを教わります。季節の変化を楽しめる心のゆとり。将来像を思い描いてそこに向かって日々コツコツと進み続けていくことの大切さと難しさ。この一年だけでもこれだけのことを感じることができました。
まさに、たかが盆栽、されど盆栽です。

酒造りは米作り

いよいよゴールデンウィークです。この辺り(福井県福井市)では田植えをする光景がそこかしこで見受けられるようになります。きれいにならされた水田に整然と苗が並ぶ光景は、初夏の到来を思い起こさせ、すがすがしい気持ちになります。
皆さんの身近にある「コシヒカリ」や「ハナエチゼン」などの飯米の田植えの時期というのはゴールデンウィークあたりですが、酒造りに使用する酒米は晩稲で、五月下旬頃が田植えの時期となります。
そう言えば、一〇年ほど前に、黒龍酒造さんに誘われ、兵庫県の山間にある東条町というところに、田植えの体験に行ったことがあります。東条町というところは、酒米の一つであるである「山田錦」の産地(特A地区)で、全国的にも有名な産地とされているところです。ちなみに、「山田錦」と同じくよく使われている「五百万石」という酒米の代表的な産地の一つに福井県の奥越地方が指定されています。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、福井は全国的にも有名な酒米の産地なのです。米どころ水どころである福井は、全国でも指折りの酒どころで、関東地方などでは福井の銘柄はだいたいどの蔵も一目置かれているんですよ。
酒造りは米作りから。
今年もよい米が獲れますようにと、秋の収穫、そして酒の仕込みへと期待がふくらみます。

2008年4月23日水曜日

新緑の季節

吟十八号

桜の花も散り、新緑の季節となりました。手前は、開ききってますが、ミヤマカイドウ、黒龍の吟十八号の奥はモミジです。盆栽を始めて1年が経ちますが、季節を本当によく感じられるようになりました。ほとんど水をやるだけなんですが、心がほぐれますよ。そういえば、年配の人たちともよく話をするようになりました。