2013年9月5日木曜日

クラフトビールを味わおう。

「クラフトビール(Craft Beer)」とは、小規模なビール醸造所でビール職人が精魂込めて造っているビールのことです。
ビール職人が造り出す高品質なビールを「手工芸品(Craft)」に例えて、クラフトビールと呼ぶのです。
また、小規模なビール工房のことは、マイクロ ブルワリー(Micro Brewery)と呼ばれることもあります。

日本の小規模生産ビールの歴史
日本では、1994年にビールの酒税法が改正され、最低製造数量が2000キロリットルから60キロリットルへと規制緩和が行われました。
これによって、全国に四大メーカー以外の小規模なビール製造会社が誕生しました。いわゆる地ビールブームです。
しかし、いくつかの理由により、地ビールブームは沈静化していきました。

・醸造技術が未熟で高い品質が維持できなかった。

・価格が品質に比べて高かった。

・町おこしが主目的となり、品質がなおざりにされた。

このように、日本の小規模生産ビールは、「地ビール」という名前で、いったんはブームとなったものの、「観光地の高くて美味しくないビール」というマイナスのイメージを持たせてしまうこととなってしまったのです。

地ビールからクラフトビールへ
しかし、2004年頃を底として、小規模生産ビールは徐々に売り上げアップをしていきす。それには、以下のような理由が考えられます。

・技術の蓄積、追求により醸造技術が向上し、高品質なビールが生産可能になった。

・低レベルの醸造業者は淘汰されていった。

・ベルギービールの普及などにより、高品質なビールなら、それなりに対価を支払ってもいいと考える人が増えた。

ひとことで言えば、品質を重視したビール造りによって、小規模生産ビールは、確実に復権してきたのです。
品質の確かさの裏付けとして、ビールの世界大会で日本のビールが数々の賞を受賞しています。

このように、品質を重視して、ビール職人が手塩にかけて造るビールを、「クラフトビール(Craft Beer)」」と呼ぼう、という流れがあります。

季節はちょうどこれから秋を迎えます。じっくりとビールを味わうにはちょうど良い季節になっていきます。
みなさんも、ぜひ「クラフトビール」を味わってみてくださいね。

写真は、サンフランシスコのクラフトビール




秋の味覚に舌鼓

秋の旬のお酒といえば、やっぱり「ひやおろし」。
「ひやおろし」とはどんなお酒かと言いますと、春先にしぼられた新酒は、一度、火入れされたあと、暑い夏の間をひんやりとした蔵で眠ってすごし、熟成を深めます。
やがて秋風が吹き始めたら、いよいよ目覚めのとき。ほどよく熟成されたお酒は、二度目の火入れをせずに(通常は火入れという低温加熱殺菌処理を二度行います)、生詰めして出荷されます。
その昔、「冷や」のまま貯蔵用の大桶から木樽に「移(おろ)して」樽詰めしたことから、このお酒は「冷移(ひやおろし)」と呼ばれ、秋の酒として珍重されてきました。

昔から「秋酒をもって最上の酒とす」ということが言われています。江戸時代までの秋酒は、醸造技術や保存管理が未発達だったため、その年の米で造った新酒が、一番とされていました。俳句の世界で「新酒」が秋の季語であるゆえんです。

時代は移って今、秋に出るお酒は、昨秋に稔ったお米で昨冬に造ったもの。
しかしながら「秋酒をもって最上の酒とす」という言葉は、健在。

日本酒は一年をかけて熟成していきますが、特に暑い盛りの夏を越えると、大変身。気温の高い夏には急速に熟成が進み、味わいが大きく変化します。
旨みが増して、まろみを帯びて、もっともバランスのよい状態になるのです。
その熟成の旨みを、もっともよく伝えてくれるのが、生詰めのまま出荷される〈ひやおろし〉。
穏やかで落ち着いた香りと、濃醇な味わいが特徴です。
まさに円熟の味わい。
旨みののった秋の味覚とも、相性ばつぐんの美味しさです。

「ひやおろし」が飲みたくなったらこちら

2013年9月4日水曜日

こんなものも 実は発酵しています。

甘い香りは発酵のたまもの
バニラ
収穫したばかりのバニラビーンズのさやに香りはありません。お湯にくぐらせて布にくるみ、木箱に詰めて数日置いた後、昼は天日干し、夜は布に包む作業を繰り返して熟成・乾燥させるキュアリングによって、独特の甘い香りが完成します。

発酵によりパワーアップした、話題の健康食品
黒にんにく
ニンニクを高温、高湿の環境に置く特殊製法で熟成発酵させると黒くなり、ニンニクの強壮効果もさらにアップ。特有の匂いはなくなり、甘みが増してまるでドライフルーツのような食感になります。

乳酸菌の力で柔らかく、うまみアップ
メンマ
ラーメン屋中華料理でお馴染みのメンマは、中国南部や台湾で栽培される麻竹のタケノコを塩漬けにして発酵させ、天日乾燥したもの。味をつけたものが売られています。

ごま油で炒めて食べる、中国の漬物
ザーサイ
中国四川省特産のからし菜の変種・ザーサイの肥大した茎を干して塩漬けにしたものを、酒、唐辛子、香辛料などに漬け込んで発酵・熟成させます。塩抜きし、ごま油などで味付けして売られています。

昔ながらの製法でつくる香り高いバター
発酵バター
クリームを乳酸発酵させて作るため、ヨーグルトのような酸味があり、香り高い。ヨーロッパではこちらが主流ですが、日本ではミルクの香りとほんのりした甘みがある非発酵バターが一般的です。



2013年9月3日火曜日

稲刈りに行ってきました!

8月24日(土)、来年の黒龍 大吟醸「あどそ」に使用される酒米「五百万石」の稲刈りに行ってきました。
前日は福井も大雨となり、今回の「ありがとうプロジェクト」の一環である稲刈りの開催も一時は危ぶまれました。
なんとか雨は上がり、曇り空でしたが、無事作業をすることができました。

普通なら過水の干上がった地面になっているのですが、前日のあいにくの雨で地面はぬかるんではいましたが、なんとか稲刈りは進行、阿難祖地頭方生産組合の方々の指導を受けながら稲刈りは終了しました。
さすがにコンバインは田んぼの中には入れなかったようです。

稲刈りから脱穀までと、ひと通りの作業をこなしたのですが、参加者のみなさんたちも自分たちの刈り取った酒米でお酒が造られるとあって、一生懸命されてました。




自分たちの穫った酒米で造られたお酒を大切な人たちとともに飲むという何とも言えない楽しみが、来年参加者のみなさんたちを待っているのですね。

最も?身近な発酵食品

野菜を保存するためにしっかりと塩づけし、微生物による自然発酵、乳酸菌や酵母菌の力で熟成・発酵させたのが、みなさんも大好きな「つけもの」。なかには、「つけもの」が食卓に並ばないと落ち着かないという方もいらっしゃるのではないのでしょうか?今回は、代表的なぬかづけの他の「つけもの」についてみなさんにもなじみのあるものをいくつか種類を紹介します。

たくあん
天日干ししてしなびた大根を、米ぬかと塩などに数カ月つけて発酵させたもの。黄色いのは、ウコンやクチナシなどによって着色されているためです。
キムチ
白菜などの野菜を、ヤンニョムと言われる合わせ調味料につけて乳酸発酵させた、韓国のつけもの。日本で売られているものは、韓国のものよりも酸味は抑えられているようです。
しばづけ
なすを赤じそとともに塩づけにした、京都の伝統的なつけもの。きゅうりやみょうがを入れたものもあります。酢を使わない本来の製法により、乳酸発酵だけで酸味を出したものは「生しばづけ」と呼ばれます。
高菜づけ
繊維がかたく、生食には向かない高菜を塩づけにして乳酸発酵させたもの。熊本県阿蘇地方のものが有名ですが、各地で作られています。 二ヶ月以上たって飴色になったものは、古つけと呼ばれます。
白菜づけ
寒い時期に白菜を天日干ししてから塩つけにしたもの。 1週間ほどかけてじっくりつけることで野菜についてる乳酸菌が発酵して、爽やかな酸味と白菜の持つ甘みが出てきます。

「つけもの」は、腸に乳酸菌を届けることのできる手軽な食材です。ただし、市販されているつけものの中には、調味料によって発酵しているような味を人工的に作りだしているものもあるので注意してくださいね。