2013年11月1日金曜日

コッソリと造られます。

般若湯という言葉を聞いたことはありますか?

般若湯というのは、お坊さんたち用いた酒の隠語です。
「般若」とは梵語(サンスクリット語)で、智慧とか真理という意味になります。
お坊さんは公然とお酒を飲むわけにはいかないため、意味ありげな隠語を使って世間の目をごまかしたのだそうです。
真言宗の総本山である高野山金剛峯寺で使われたのが最初という説もありますが、いつ頃から使われ始めたのかということも含めて、真偽のほどは不明なのだそうです。
いうまでもなく寺院の戒律は厳しく、本来、飲酒は御法度のはずであります。
禅寺の門脇にある戒壇石などには、「葷酒山門に入るを許さず」と刻まれています。
葷酒とは、ネギやニラなどの臭気のある野菜とお酒のことで、清浄な寺門の中に修行の妨げとなる葷酒を持ち込む事はもとより、それらを口にしたものが入ることも許さないという厳しい掟です。
ところが、実際には鎌倉から室町かけての中世、お酒は寺院と密接な関係にありました。武家政権の時代に入り、それまで宮廷中心だった酒造りの技術が民間に流出し始めるのですが、とりわけ寺院は、その後の酒造技術の発展に画期的役割を果たすことになるのです。
この時代に寺院で作られたお酒は「僧坊酒」と呼ばれていました。

僧坊酒はそれまでの一段仕込みから脱却して*二段仕込みの方法を編み出すといった、現代の日本酒にかなり近づいたものになったようです。

ワインやビールもそうなのですが、お坊さんや修道院の人たちが醸造に携わっているという事実は世界中で見受けられます。それを収入としていたという場合もあるようですが、アルコールに対する欲求?探究心?戒律が厳しいだけにその反動も大きかったのでしょうか?

 * 現在の酒造りでは「三段仕込み」という方法でお酒が造られます。三段仕込みとは、あらかじめ造っておいた酒母に、麹、水、蒸米をそれぞれ、初添え、仲添え、留添えと3回に分けて、だんだんに仕込み量を増やして仕込んでいく方法です。二段仕込みとはこの段仕込みの回数が2回であるという事になります。


般若湯は販売しておりませんが...
当店のホームページはこちら


2013年10月31日木曜日

今年の出来はいかに?

毎年11月の第三木曜日に解禁される、ボージョレ地方の新酒“ボージョレ・ヌーヴォー”は、フレッシュさを第一に考えられて、9月から10月の収穫後、1ヶ月ほどで造られ全世界へ出荷されます。
通常は、発酵・醸造が行われ翌年以降に飲まれるのですが、ボージョレ・ヌーヴォーは、“マセラシオン・カルボニック”と言う特殊な方法によって通常より早く市場にでてくるのです。
さらに、日付変更線の関係上本国フランスよりも早く楽しむことができるのです。解禁日が味覚の秋真っ只中ということも相まって、“ボージョレ・ヌーボー”は日本で人気を博しているのです。

ちなみに、これまでのボージョレ・ヌーヴォーの評価をならべてみました。

1995年:ここ数年で一番出来が良い
1996年:10年に1度の逸品
1997年:1976年以来の品質
1998年:10年に1度の当たり年
1999年:品質は昨年より良い
2000年:出来は上々で申し分の無い仕上がり
2001年:ここ10年で最高
2002年:過去10年で最高と言われた2001年を上回る出来栄え
2003年:100年に1度の出来
2004年:香りが強く中々の出来栄え
2005年:ここ数年で最高
2007年:柔らかく果実味が豊かで上質な味わい
2008年:豊かな果実味と程よい酸味が調和した味
2009年:50年に1度の出来
2010年:1950年以降最高の出来といわれた2009年と同等の出来
2011年:近年の当たり年である2009年に匹敵する出来
2012年:史上最悪の不作だが、ブドウの品質はよく熟すことができて健全

ボージョレ・プリムール レ・グリオットオススメです!
じっくりと見てみると、う〜ンと首を傾げてしまうようなコメントも多いのですが・・・。
さて今年の評価はいかがなものでしょうか?


※マセラシオン・カルボニック(Maceration Carbonique) 
早飲みのワインによく用いられる製法で、密閉されたタンクにブドウを破砕せずにそのままタンクいっぱいに詰め、ブドウの発酵により発生する炭酸ガス中に数日おく方法。 とてもフルーティーな香りと、飲みやすいフレッシュな味わいの赤ワインができあがります。



2013年10月8日火曜日

日本酒造りに適したお米

 日本酒の原料として使用される米は、主食用の米(飯米)と同じジャポニカ系統の水稲うるち米に属する。日本では多くの品種の米が栽培されており、そのうちのどの品種の米を使っても日本酒を造ることができますが、中でも酒造りに適した米は「酒造好適米」と呼ばれます。酒蔵好適米は、日本の飯米に比べて円大きく(大粒米)、白い真の部分(心白)も大きい上に、タンパク質含有量が少ないという三つの条件を満たした品種なのです。
 代表的な品種は、 「山田錦」、 「 五百万石」、 「美山錦」、 「雄町」なのですが、その生産量はすべての酒造需要をまかなうにはとても及びません。酒蔵好適米は、一般の飯米に比べて栽培が難しいこともということもあります。例えば、大粒米の中でも「雄町」は米粒が大きく優秀な品種ですが、茎が長いため結実期に倒伏し、機械での刈り取りがしにくいという欠点があります。したがって作付面積はなかなか増えず、雄町のように年々減少している品種もあり、価格も高いのです。そのため一般の飯米もかなりの量が酒米として使われているというのが現状なのです。
 玄米の粒の大きさは品種によって違います。粒の揃った玄米1000粒の重量を千粒重といますが、一般の飯米の玄米が20から22gであるのに対して、25g以上のものを特に「大粒米」または「大粒」と呼びます。そして、大粒種の中でも、粒の中心部(心白)が白くうるんで見えるものを「大粒心白米」と言います。
 心白はデンプン粒が荒い部分で、これが大きいと麹カビが繁殖しやすく、麹造りの重要なポイントの1つである破精込み(はぜこみ)が容易になるのです。酒蔵好適米の検査基準では、心白の発現率は80パーセント以上だそうです。また、大粒心拍米は給水も早く、蒸すと粒の外側が硬く内側柔らかい、いわゆる外硬内軟でさばけの良い蒸米になりやすく、酒母もろみの中での消化性が良い、などの特徴があるのです。


2013年10月1日火曜日

お酒もお醤油も・・・

 「日本酒の日」というのをご存知でしょうか。10月1日がその日にあたります。酒に関する漢字ー酌、酔、酩、醪、醸・・・・にはツクリ「酉(とり)」が共通しています。「酉」は酒壷を表す象形文字で、古代にさかのぼるにつれて下のほうがだんだんとすぼみ、その昔、酒を熟成させるために用いた酒壷の形のようにみえます。もとは「酉」だけで酒を意味していましたが、後の液体に表す「サンズイ」がついて今の酒という字になったといわれています。この「酉」は、十二支の中の10番目の「酉」としても使われています。酉の月は十月の新穀の実る月であり、その穫り入れた新穀を使い、酒造りを一斉 に始めた月なので「酒の月」ともされたそうです。そこから 10月から翌年の9月までを酒造年度としていたようで、酒造元日である10月1日が「日本酒の日」となったのです。
 また、同じく10月1日は「しょうゆの日」でもあります。やはり、醤油の「醤」の字にも用いられているからようです。農耕民族であった頃の日本では、春の種蒔き、晩夏から初秋にかけての収穫、収穫後の十月頃には、冬に備え作物を貯蔵・加工するというように、四季に合わせて生活スタイルが変化していました。醤油(しょうゆ)も、新大豆を原料として、晩夏から初冬に新しい「もろみ」を仕込んだといわれています。
 醤油(しょうゆ)の「醤」は、醸造と関わりがあることから分かるのですが、では、「しょうゆ」の「ゆ」に「油」という字を当てた理由はどういうことなのでしょうか?漢和辞典の「油」の項に、「油油(ゆうゆう)」という熟語が取り上げられていますが、これには「ゆるやかに流れるさま」という解釈がついており、「とろりとした液体」という意味があると考えられているようです。室町時代の醤油は、今の「たまり醤油」に近いものであったと伝えられていることから、現代の「濃口醤油」に比べて濃厚で、とろりとしてたため「油」という字を当てたのではないかと考えられるのです。

2013年9月5日木曜日

クラフトビールを味わおう。

「クラフトビール(Craft Beer)」とは、小規模なビール醸造所でビール職人が精魂込めて造っているビールのことです。
ビール職人が造り出す高品質なビールを「手工芸品(Craft)」に例えて、クラフトビールと呼ぶのです。
また、小規模なビール工房のことは、マイクロ ブルワリー(Micro Brewery)と呼ばれることもあります。

日本の小規模生産ビールの歴史
日本では、1994年にビールの酒税法が改正され、最低製造数量が2000キロリットルから60キロリットルへと規制緩和が行われました。
これによって、全国に四大メーカー以外の小規模なビール製造会社が誕生しました。いわゆる地ビールブームです。
しかし、いくつかの理由により、地ビールブームは沈静化していきました。

・醸造技術が未熟で高い品質が維持できなかった。

・価格が品質に比べて高かった。

・町おこしが主目的となり、品質がなおざりにされた。

このように、日本の小規模生産ビールは、「地ビール」という名前で、いったんはブームとなったものの、「観光地の高くて美味しくないビール」というマイナスのイメージを持たせてしまうこととなってしまったのです。

地ビールからクラフトビールへ
しかし、2004年頃を底として、小規模生産ビールは徐々に売り上げアップをしていきす。それには、以下のような理由が考えられます。

・技術の蓄積、追求により醸造技術が向上し、高品質なビールが生産可能になった。

・低レベルの醸造業者は淘汰されていった。

・ベルギービールの普及などにより、高品質なビールなら、それなりに対価を支払ってもいいと考える人が増えた。

ひとことで言えば、品質を重視したビール造りによって、小規模生産ビールは、確実に復権してきたのです。
品質の確かさの裏付けとして、ビールの世界大会で日本のビールが数々の賞を受賞しています。

このように、品質を重視して、ビール職人が手塩にかけて造るビールを、「クラフトビール(Craft Beer)」」と呼ぼう、という流れがあります。

季節はちょうどこれから秋を迎えます。じっくりとビールを味わうにはちょうど良い季節になっていきます。
みなさんも、ぜひ「クラフトビール」を味わってみてくださいね。

写真は、サンフランシスコのクラフトビール




秋の味覚に舌鼓

秋の旬のお酒といえば、やっぱり「ひやおろし」。
「ひやおろし」とはどんなお酒かと言いますと、春先にしぼられた新酒は、一度、火入れされたあと、暑い夏の間をひんやりとした蔵で眠ってすごし、熟成を深めます。
やがて秋風が吹き始めたら、いよいよ目覚めのとき。ほどよく熟成されたお酒は、二度目の火入れをせずに(通常は火入れという低温加熱殺菌処理を二度行います)、生詰めして出荷されます。
その昔、「冷や」のまま貯蔵用の大桶から木樽に「移(おろ)して」樽詰めしたことから、このお酒は「冷移(ひやおろし)」と呼ばれ、秋の酒として珍重されてきました。

昔から「秋酒をもって最上の酒とす」ということが言われています。江戸時代までの秋酒は、醸造技術や保存管理が未発達だったため、その年の米で造った新酒が、一番とされていました。俳句の世界で「新酒」が秋の季語であるゆえんです。

時代は移って今、秋に出るお酒は、昨秋に稔ったお米で昨冬に造ったもの。
しかしながら「秋酒をもって最上の酒とす」という言葉は、健在。

日本酒は一年をかけて熟成していきますが、特に暑い盛りの夏を越えると、大変身。気温の高い夏には急速に熟成が進み、味わいが大きく変化します。
旨みが増して、まろみを帯びて、もっともバランスのよい状態になるのです。
その熟成の旨みを、もっともよく伝えてくれるのが、生詰めのまま出荷される〈ひやおろし〉。
穏やかで落ち着いた香りと、濃醇な味わいが特徴です。
まさに円熟の味わい。
旨みののった秋の味覚とも、相性ばつぐんの美味しさです。

「ひやおろし」が飲みたくなったらこちら

2013年9月4日水曜日

こんなものも 実は発酵しています。

甘い香りは発酵のたまもの
バニラ
収穫したばかりのバニラビーンズのさやに香りはありません。お湯にくぐらせて布にくるみ、木箱に詰めて数日置いた後、昼は天日干し、夜は布に包む作業を繰り返して熟成・乾燥させるキュアリングによって、独特の甘い香りが完成します。

発酵によりパワーアップした、話題の健康食品
黒にんにく
ニンニクを高温、高湿の環境に置く特殊製法で熟成発酵させると黒くなり、ニンニクの強壮効果もさらにアップ。特有の匂いはなくなり、甘みが増してまるでドライフルーツのような食感になります。

乳酸菌の力で柔らかく、うまみアップ
メンマ
ラーメン屋中華料理でお馴染みのメンマは、中国南部や台湾で栽培される麻竹のタケノコを塩漬けにして発酵させ、天日乾燥したもの。味をつけたものが売られています。

ごま油で炒めて食べる、中国の漬物
ザーサイ
中国四川省特産のからし菜の変種・ザーサイの肥大した茎を干して塩漬けにしたものを、酒、唐辛子、香辛料などに漬け込んで発酵・熟成させます。塩抜きし、ごま油などで味付けして売られています。

昔ながらの製法でつくる香り高いバター
発酵バター
クリームを乳酸発酵させて作るため、ヨーグルトのような酸味があり、香り高い。ヨーロッパではこちらが主流ですが、日本ではミルクの香りとほんのりした甘みがある非発酵バターが一般的です。



2013年9月3日火曜日

稲刈りに行ってきました!

8月24日(土)、来年の黒龍 大吟醸「あどそ」に使用される酒米「五百万石」の稲刈りに行ってきました。
前日は福井も大雨となり、今回の「ありがとうプロジェクト」の一環である稲刈りの開催も一時は危ぶまれました。
なんとか雨は上がり、曇り空でしたが、無事作業をすることができました。

普通なら過水の干上がった地面になっているのですが、前日のあいにくの雨で地面はぬかるんではいましたが、なんとか稲刈りは進行、阿難祖地頭方生産組合の方々の指導を受けながら稲刈りは終了しました。
さすがにコンバインは田んぼの中には入れなかったようです。

稲刈りから脱穀までと、ひと通りの作業をこなしたのですが、参加者のみなさんたちも自分たちの刈り取った酒米でお酒が造られるとあって、一生懸命されてました。




自分たちの穫った酒米で造られたお酒を大切な人たちとともに飲むという何とも言えない楽しみが、来年参加者のみなさんたちを待っているのですね。

最も?身近な発酵食品

野菜を保存するためにしっかりと塩づけし、微生物による自然発酵、乳酸菌や酵母菌の力で熟成・発酵させたのが、みなさんも大好きな「つけもの」。なかには、「つけもの」が食卓に並ばないと落ち着かないという方もいらっしゃるのではないのでしょうか?今回は、代表的なぬかづけの他の「つけもの」についてみなさんにもなじみのあるものをいくつか種類を紹介します。

たくあん
天日干ししてしなびた大根を、米ぬかと塩などに数カ月つけて発酵させたもの。黄色いのは、ウコンやクチナシなどによって着色されているためです。
キムチ
白菜などの野菜を、ヤンニョムと言われる合わせ調味料につけて乳酸発酵させた、韓国のつけもの。日本で売られているものは、韓国のものよりも酸味は抑えられているようです。
しばづけ
なすを赤じそとともに塩づけにした、京都の伝統的なつけもの。きゅうりやみょうがを入れたものもあります。酢を使わない本来の製法により、乳酸発酵だけで酸味を出したものは「生しばづけ」と呼ばれます。
高菜づけ
繊維がかたく、生食には向かない高菜を塩づけにして乳酸発酵させたもの。熊本県阿蘇地方のものが有名ですが、各地で作られています。 二ヶ月以上たって飴色になったものは、古つけと呼ばれます。
白菜づけ
寒い時期に白菜を天日干ししてから塩つけにしたもの。 1週間ほどかけてじっくりつけることで野菜についてる乳酸菌が発酵して、爽やかな酸味と白菜の持つ甘みが出てきます。

「つけもの」は、腸に乳酸菌を届けることのできる手軽な食材です。ただし、市販されているつけものの中には、調味料によって発酵しているような味を人工的に作りだしているものもあるので注意してくださいね。


2013年6月13日木曜日

おみせたんけん

今日は、森田小学校2年生の「おみせたんけん」の日。
総勢40人ほどの子供たちが、2回に分けて八重巻酒店を探検しに来てくれました。
かわいらしい子供たちの質問にいくつか答え、少しだけ日本酒の話をさせてもらいました。


日本酒の香りだけ嗅いでもらいました。
大人の世界に子供たちは興味津々。

楽しそうな姿に、若おやじは元気をいただきました。
森田小学校2年生のみんな、今日はどうもありがとうね!

2013年5月31日金曜日

伝統に息づく発酵

今回は、発酵の力で魚介の保存性を高めた、みなさんもご存知の伝統食品をご紹介します。

まずはみなさんも大好きなへしこ。

福井県南部・若狭地方の伝統料理。サバ、イワシなどの魚を塩漬けしたものを、米ぬか、塩、唐辛子などで漬け込み、長いものが一〜二年熟成させます。ぬか床に押し込むことを若狭地方の方言で「へしこむ」ということからついた名だそうです。

つぎは塩辛。

イカ、タコ、エビなど魚介を内蔵とともに塩漬けにし、内臓に含まれる酵素と微生物の力で発酵、熟成させて保存性を高めたもの。麹を加えて発酵を促進するものもあります。
高知県の名物「酒盗」はカツオの内臓の塩辛。韓国ではキムチ作りにアミの塩辛が欠かせないものとなっています。

さて最後は、くさや。

伊豆諸島特産の干物です。
味は塩辛いながらも甘みがありまろやかですが、特徴的な匂いは強烈です。
新鮮な魚の開きを、発酵したくさや液という魚醤のような液体につけて浸透させ、天日干しにします。
以前、バーベキューでくさやの干物を焼いたことがあるのですが、それはそれは臭いものでした。ひとくち口に入れるとくさい臭いは口の中に広がるのですが、味は驚くほどおいしかったことを覚えています。
それにしても日本酒と良く合ったのを覚えています。

魚介の発酵食品は冷蔵庫などない時代に長期保存するために培われてきた昔からの知恵です。
風味が強いのがものが多く、お酒も、白いご飯もついついすすんでしまいますよねぇ。


八重巻酒店のホームページ

2013年5月30日木曜日

「黒龍 あどそ 純米大吟醸」もうまもなくです!

平成25年6月4日、黒龍酒造より新商品が発売いたします。

その名も「あどそ」。

福井「黒龍有志の会」が企画立案して生まれたお酒です。 
福井県大野市、阿難祖(あどそ)地区にある「味の郷生産組合」の契約農家の方のご協力を得て、有志の会会員が田植え、稲刈りを行い、その酒米を黒龍酒造が醸しました。
福井県大野、阿難祖産酒米「五百万石」100%の純米大吟醸酒です。
福井の酒米で造られた福井の綺麗な地酒をどうぞお楽しみに!

父の日のプレゼントに、日頃お世話になっている大切な方や、県外に住む知人などへの感謝を込めたプレゼントに、ぜひこの「あどそ」をお使いください!

* われわれ福井県内の「黒龍有志の会」のみの発売となります。
もちろん、数量も限られておりますので、ご入用の方は必ずご予約ください。
(ご予約のお電話をいただいた場合でも、すでに品切れの際にはお断りすることもありますので、あらかじめご了承ください)

☎0776-56-0102

聞く?聴く?利く?

日本酒の良し悪しを官能鑑定することを「酒をきく」とか「きき酒」といいます。
正式には、まず目で見てから静かに香りを嗅ぎ、それからごく少量を口に含んで味を吟味してそれらの結果から酒の出来具合を総合的に判断します。
したがってきき酒という行為の本来意味からすると、「見る」「嗅ぐ」「味わう」と言った動詞が当てられてよさそうなものですが、なぜか「きく」というのです。

ちなみに通常国語辞典では「きき酒」の漢字表記として「聞(き)酒」または「利(き)酒」が用いられており、一般的によく使われる「唎く」という字は漢和辞典にも載っていない当て字なのです。

日本語の「きく」という言葉には多くの意味があるようで、この音を持つ漢字も「聞く」「聴く」「効く」などいろいろあります。
これらの漢字のうち「聞く」は、もともとは声や音に反応する耳の感覚を表す文字ですが、お香をたいて楽しむ香道などのように「においを嗅ぐ」という意味も持っているようです。

『広辞苑』によると、「聞く・聴く」には「(「利く」とも書く)物事をためし調べる」という意味もあり、その語義を細分すると
①嗅ぎ試みること、
②味わい試みること
などの分けられます。

嗅ぎ試みることも味わい試みることも、いずれも「きき酒」の意味に通じていることから、「酒をきく」の「きく」は「聞く」から来たのではないかという説があります。
ただ、「酒を聞く」と書いたのではいかにも耳の感覚のようでしっくりとしません。

一方、「利く」には「目が利く」とか「鼻が利く」といった言い回しがあります。

そこで「利」に口偏をつけて、「口で以てきく」という当て字ができたのではないかと考えられているのです。


福井の地酒「黒龍」「梵」のお問い合わせは八重巻酒店まで

2013年5月16日木曜日

本場イタリアの生ハム


イタリアでは、厳選された豚のもも肉を原料として作られる熟成加工品で、古代ローマ時代から作られ続けています。豚は脂身と赤身のバランス、風味、繊細さを得るために、いわゆる「重い豚」160g〜180g)のもも肉が用いられます。
添加物は、天然の塩以外一切使用しません。
「生ハム」と言っても、国産の「生ロースハム」とは全く異なり、最低でも6ヶ月、長いもので18ヶ月以上熟成させた保存性の高い食品なのです。

パルマ産生ハム
Prosciutto crudo di Parma
プロシュット・ディ・パルマは、別名「パルマハム」とも呼ばれています。
イタリアのパルマ近郊で作られているプロシュット(生ハム)です。
DOP(保護指定原産地表示)の一つとなっており、産地保証による品質管理のため、この名称を使用する条件は厳しく適用されているのです。
世界三大ハム(イタリアのプロシュット・ディ・パルマ、スペインのハモン・セラーノ、中国の金華ハム[金華火腿])の一つで、世界で最も有名な生ハムなのです。
餌にパルミジャーのチーズの乳清を与え、プロシュットにチーズの味と香りがほのかにするんです。
しかも400日も熟成させられるのです。
厳選された豚もも肉と塩だけを原料として、温度と湿度を管理された環境のもとに、400日にも及ぶ熟成をさせることにより、その甘さと旨さ、芳香が醸し出されるのです。

私も、初めて食べた時は正直驚きました。
今まで食べていた生ハムは何だったのだろうと・・・。
このパルマ産生ハムのコク、味の深みはまさに感動ものです。
ぜひみなさんも、本物の味わいをお試しください。

旨い生ハムが食べてみたいと思った方はこちら

2013年5月11日土曜日

「雨もまた良し」としましょう。


週末に憂鬱な雨...。

そんな週末は、ウチ呑みでまったりとするのもいいもんです。

ちょっと贅沢な生ハムをおつまみに。

あ、それと明日の母の日の食卓を彩るのもいいかもしれませんね。詳細はこちら

明日は定休日となりますので、お買い求めの方は本日中にどうぞ。

夜8:00まで営業してますよ。

2013年4月28日日曜日

祭りとお酒の深い関係


5月3日(憲法記念日)。
当店の近くにある神社では春祭りが行われます。
お祭りには昔から、御神酒がつきものなのですが、それは一体なぜなのか、ちょっと調べてみました。

日本では古くから各地でさまざまなお祭りが伝承され、今日も盛んに行われています。
そのような伝統的なお祭りでは、神に供え、また集まった人にもふるまう「祭り酒」がつきものですが、この風習は古代の稲作文化と深い関わりを持っているようです。
水稲耕作の始まった古代日本では、それまでの山への原始的な信仰に加えて、田の神、水の神への信仰も生まれたのです。
山の神はまた水の神であり、さらには農耕神でもあったのです。
そのため、春の籾蒔き前には山の神を田の神として迎えて豊穣を祈願し、秋の収穫が終わると感謝を込めて神を山に送る送迎儀礼が行われるようになったのだそうです。
この農耕儀礼がやがて春秋の神祭へと発展したと考えられています。

昔から、酒は神と人とを結びつけるものであり、同時に人々が一体感を共有するためのものでした。
そのため、特に農民を主体とする庶民層においては、飲酒は多くの場合、集団の儀礼として行われたのでした。
神事祭礼の酒盛りも神を仲立ちとしてひとつの甕の酒を分かち合って酔うことによって、神への畏敬と感謝をあ表し、合わせて仲間意識と結束を強化するものだったのです。
今日の祭りでも神前に御神酒をお供えし、神輿(みこし)の前などで酒を酌み交わしたりするのですが、これは、こうした酒を神との媒介とした時代の名残と考えられているのです。

また、祭りや神事の後の酒盛りはいまでも「直会(なおらい)」が行われます。直会とは、お供えや御神酒をおろして参加者が分かち合う酒宴なのですが、

本来の意味は、神と共飲共食にあります。
つまり、神と同じ酒や食べ物をいただくことで、神と同じ霊力が分け与えられるという古代の信仰の名残なのだそうです。

八重巻酒店のホームページ

2013年4月27日土曜日

ゴールデンウィークの営業案内

今日から、ゴールデンウィークです。

八重巻はゴールデンウィーク中もほぼ休まず営業いたしております。
遠くに暮らしている家族が帰省してきたり、仲の良い友人たちとBBQをしたり、ちょっと旅行に行ったりと、みなさんそれぞれご予定があると思いますが、準備はおすみですか?

八重巻は、お客様をもてなすお酒、BBQで楽しむお酒、いろいろと揃えてますよ。

詳しくはこちら

皆様のお越しを、鯉のぼりをあげてお待ちしております!

《ゴールデンウィークの営業案内》
4月28日(日)     営業 9:00~19:00
4月29日(月 昭和の日)営業 9:00~19:00
4月30日(火)     営業 9:00~20:00
5月1日(水)       営業 9:00~20:00
5月2日(木)       営業 9:00~20:00
5月3日(金 憲法記念日) 営業 9:00~19:00
5月4日(土 みどりの日) 営業 9:00~19:00
5月5日(日 こどもの日) 営業 9:00~19:00
5月6日(月 振替休日)  お休み




それではみなさん、よいゴールデンウィークをお過ごしください!

2013年4月12日金曜日

ありがとうの酒をつくりませんか?


今回は、黒龍酒造特約店有志の会の企画による「ありがとうのプロジェクト2013」をご紹介します。
〆切は迫っていますが、少しだけまだ空きがあるようなので、きょうみのあるかたはぜひどうぞ!
詳細は、以下の通りです。


「阿難祖の大地から ありがとうの酒を つくりませんか?」
黒龍特約店有志の会では、地酒蔵元の酒造りを身近に感じていただくとともに、福井の自然の素晴らしさを再認識してほしいとの想いから、大野市阿難祖地頭方の田園で、酒米『五百万石』の田植えや稲刈りを行ってきました。
そして、その田園から収穫された酒米は、生産地の名前を冠した『黒龍 あどそ』の原料米として使用されています。


この『ありがとうプロジェクト2013』は、私たちと一緒にみなさんに田植えや稲刈りに参加していただき、そこで収穫された酒米から生まれる『黒龍 あどそ』を、日頃からお世話になっている方にプレゼントしましょう!という企画です。

ひろい無地の田園へ『五百万石』の苗を植え、黄金色に染まった稲を汗を流しながら収穫する。お世話になっているあの方や大切なあの人を思い浮かべながら...。
そんな感謝の気持ちがたくさん込められた『ありがとう』を、大切な人にプレゼントしませんか?
私たちがこのプレゼントで皆様の背中を後押しいたします。

阿難祖地当方生産組合のおじさんたち

■ 企画スケジュール
《 平成25年 》
・田植え / 平成25年5月3日(祝金)am9:00~pm12:00頃
 *天候により日程変更があります。
・稲刈り / 平成25年8月下旬(日)頃

《 平成26年 》
・「黒龍のお酒ができるまで」勉強会 / 平成26年2月頃予定
・出来上がったお酒のお披露目会 / 平成26年6月頃予定

■ 開催地
・阿難祖地頭方生産組合 黒龍酒造試験田
 〒912-0063 福井県大野市阿難祖地頭方地区
・黒龍酒造株式会社 兼定島酒造りの里
 〒910-1142 福井県吉田郡永平寺町松岡兼定島11-58

■ 参加費用
・1名につき3,000円(初回参加時に集金)
 *「黒龍 あどそ」(平成26年6月)1本の購入金額を含みます。
 なお、交通費はご負担くださいますようお願いいたします。

■ 募集〆切
平成25年4月14日(日) *定員20名

■ 応募資格
・福井県在住、また通勤通学されている方で、
平成26年5月31日時点で20~29歳の方。
・基本的に全活動にご参加いただける方を募集します。

■ 応募方法
 メールでのご応募は、黒龍酒造公式HPにある、「お問い合わせフォーム」にて
受付しております。
 メールでご応募いただく際には、
氏名、年齢、性別、学校名または勤務先、住所、電話番号、E-mail、
応募先(ごひいきの黒龍酒造特約店)を、本文にお書きください。

八重巻でも受け付けていますよ! ☎0776-56-0102

■ 参加者の決定
応募者多数の場合は、黒龍酒造特約店有志の会にて抽選の上、決定しました参加者には、4月19日(金)までに応募先を通じてメールもしくはお電話にてお連絡いたします。

2013年4月11日木曜日

栄養満点の酒粕(その2)


前回に引き続き、酒粕についてのお話です。今回はみなさんが興味をお持ちの美容についてです。ちょっと難しい説明もありますが、読んでみてくださいね。

美容と酒粕について
近頃、以前ちょっと流行したガン黒ちゃんを尻目に、空前の美白ブームです。そんな中、酒粕に含まれるアルブチン入りの美白化粧品をよく見かけるようになりました。どうやら酒粕にはシミ・ソバカスを薄くする効果があるようです。また美白効果だけではなく、保湿保温効果やアトピー等にも効くといわれているのです。
 
果たしてその科学的根拠はどこにあるのでしょうか?シミ・ソバカスは皮膚の色素沈着で起こるものです。その原因はドーパクロムという物質で、この物質がメラニン色素に変化することによって、シミ・ソバカスが出来たり日焼けをしたりするわけです。
 
それではこのドーパクロムはどの様にしてできるのでしょうか?これはチロシナーゼという酵素がアミノ酸の一種に作用してできます。ところがここにチロシナーゼの働きを阻害する酵素を加えると、ドーパクロムは生成されないことが分かっています。そしてこのチロシナーゼの働きを阻害する物質というのが、最近よく話題になっているコレステロールを低下させるのリノール酸やアルブチン等です。不飽和脂肪酸のリノール酸は日本酒の原料である米の中に含まれるものですが、当然日本酒を搾った後の酒粕にも酵母と共に大量に含まれています。この酒粕のエキスを使った実験で、酒粕がドーパクロムの生成を著しく阻害するという結果が発表されているんです。
 
また、最近密かにブームとなっているのが日本酒風呂。これは皮膚を保湿・保温することで美しい肌になるからですが、やはり酒粕にも同じ効果があります。
 
酒粕の成分を調べてみると、タンパク質、繊維質を含む炭水化物、ビタミン類、カルシウム、リン、鉄、ナトリウム、カリウム等の無機質、更にマグネシウム、亜鉛、銅など、他にも数え切れない程様々なものが含まれており、加えて酵母からの核酸類(細胞の老化を抑えるもの)も含んでいるのでした。これらの成分の中に保湿・保温の効果をもっているものがあるわけなんです。これは冷え性の人にもかなり有効です。またこれらの成分はアトピー性皮膚炎にも効果があることが分かっています。つまり酒粕風呂は、保温・保湿・美白等、様々な美容効果と共に、肌の体質改善効果も期待できるという願ったり叶ったりのお風呂なのです。
 
食べて良し、お風呂に入れて良し、この万能選手の酒粕、もう一度見直してみませんか?



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2013年4月9日火曜日

栄養満点の酒粕(その1)


酒は昔から「百薬の長」と呼ばれています。その日本酒の薬効成分の多くは、麹、あるいは発酵過程で出来てきます。つまり麹がそのまま残っている酒粕にもおくの薬効が期待できるというわけです。

消費者のニーズが多様化・高級化した今日、酒粕は、その栄養と美味しさにプラス、それ自体が機能を持って十分に効果を発揮している食品なのです。
現代病と酒粕について
 
糖尿病の方の食事は、糖質を減らして、タンパク質を吸収するのが基本です。
酒粕の中には糖の吸収を抑える物質や、タンパク質の分解吸収を促進する機能性物質が含まれている為、糖尿病野方にとって酒粕は、願ったりかなったりの食品なのです。

また、酒粕の中からは血圧の上昇を抑えるのに有効な物質が6種類も発見されており、様々な研究の結果、市販の高血圧の薬と同じくらい効くことが立証されています。
 
高齢化社会を迎え、よく耳にする病気に骨粗しょう症があります。
骨の量は十代後半をピークに、四十歳を過ぎると年齢とともに減少していきます。これは、骨の吸収が新しい骨の生産より早くなるためです。このバランスが更に崩れると、骨の中がスカスカになります。この状態が骨粗しょう症です。

しかし、骨がもろくなるのを防ぐのに有効な成分が日本酒の麹から3種類発見されました。もちろんこれは酒粕からも見つかっています。つまり酒粕を日常的に食べ続けることで、骨粗しょう症の予防・進行の阻止が出来るのです。更に酒粕は食品ですから他の骨粗しょう症の薬と違い、副作用の危険性も全くありません。
 
また脳梗塞や心筋梗塞、動脈硬化など、血液が固まったり、血管が堅くなったりする病気にも酒粕は有効だと言われています。
なぜなら酒粕には血液の固まりを溶かす酵素の合成を促進させる物質が含まれており、また悪玉コレステロール値を下げる働きもあるのです。
 
この様に酒粕は現代病に対し、とても有効な食品と言えます。病気になってからではなく、予防の意味でも酒粕はとても有効なのです。



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2013年3月14日木曜日

まだまだ寒いので・・・。


寒い!
暦の右上ではもう春なんですが、冒頭の歌が頭の中に流れてくるような、寒い日が続きます。この冬は、雪こそ積もりませんが、本当に寒い日が多いですよねぇ。
寒い夜には心底体を温めてくれる、「お燗酒」!
心も体も温まりますよ。

温かいお酒といえば、ウイスキーや焼酎はお湯で割るし、ワインはシナモンなどを入れて温めるし、紹興酒も(これはお好みでそのままの人もいるかもしれませんね)砂糖を溶かして飲みます。
そういえば、純粋にそれだけを温める、そのものを温めるお酒というのは私の記憶の中では日本酒だけのような気がします。
不思議なことに日本酒は同じお酒でも、温度を変えることによって味わいが変わってきます。昔は「お燗番」という仕事があって、出てくるお料理に合わせて一種類のお酒の温度を変えていたそうです。

ちなみにお燗の温度によって呼び方が違うということをご存知でしたか?
「日向燗」(ひなたかん、30度)、
「人肌燗」(35度)、
「ぬる燗」(40度)、
「上燗」(じょうかん、45度)、
「熱燗」(50度)、」飛び切り燗(55度以上)
となっています。

一般的には「人肌燗」~「上燗」がおいしいといわれています。
温めることによって味わいが一層豊かになるため、どんなお料理との相性も良くなります。
また、アルコールは、体に吸収される前に、胃の中で体温と同じくらいの温度まで温められます。
お燗したお酒は温める時間がいらないため、早く酔いが回ってきます。早く酔いはじめる分、飲み過ぎることなく自分のペースで飲んでいられるのです。
体は温めるし、料理との相性は良くなる、しかも悪酔いしにくい。
「お燗酒」って心にも体にも美味しいんですよ。

美味しいお燗酒が飲みたくなった方はこのお酒。

2013年2月6日水曜日

お茶にも発酵?


意外な事かもしれませんが、茶葉の中にも発酵させたものあります。
発酵していない緑茶と、基本的に原料は同じとなります。
発酵茶にはビタミンCが含まれないのですが、その代わりに、抗菌作用が緑茶よりも優れたものとなるのです。

紅茶
世界で最も多く生産されているお茶です。
摘み取った葉と芽をしおれさせ、酸化酵素を働かせることで完全に発酵させてから乾燥させたものです。

ウーロン茶
中国茶の中では、「青茶」に分類されます。「青」と言っても「黒っぽい藍色」という意味だそうです。
製茶されたお茶の形状や色が、烏のように黒く、龍のように曲がりくねっているため名付けられたといいます。
また、ウーロン茶は葉の発酵を途中で止める半発酵茶となります。
摘み取った葉をしおれさせて酸化酵素を働かせ、発酵がある程度すすんだところで窯いりして酵素の働きを止めつくられます。

プーアール茶
ダイエットが気になる人から関心の高い、中国雲南省が原産のお茶。中国茶の中では、「黒茶」(中国茶のうち、葉の酸化酵素ではなく麹菌によって発酵させるお茶のこと)に分類されます。
葉を蒸してからカビをつけて発酵させます。
好気的(タンクなどで密閉せずに、空気のある状況のこと)カビつけ発酵茶です。

碁石茶
個性的な香りと酸味のある高知県の郷土茶です。
枝ごと蒸した葉にカビをつけ、蒸し汁をふりかけて重石を乗せて乳酸発酵させる、二段発酵茶です。
固まったところを細かく天日乾燥させてつくられます。

紅茶やウーロン茶は手に入れる事は難しくありません。新鮮な緑茶にはない抗菌作用に注目して味わってみてください。

2013年2月5日火曜日

酒飲みのことを・・・


日本には古くから、酒にまつわる洒落言葉や俗語などがたくさんあります。
 
酒飲みのことを「左利き」というのも洒落言葉のひとつです。
一般に右利きの人が多いので、ふつう大工さんはノミを左手に持って(右手で金槌を持つ)お仕事をされます。 この「ノミ」に、「(酒)飲み」をかけて、盃も左手で持つところから「左利き」というようになったといわれています。
この場合、たんに酒を飲む人というより、「飲ん兵衛」を意味することが多いようです。
ここから転じて酒の好きな人を「左党」(「さとう」または「ひだりとう」と読む)といい、お酒のことを「左」ともいうのです。

同じような洒落言葉で、酒飲みのことを、「とら」ということもあります。
これは、中世の*女房詞で、「酒」のことをさした「ささ」に「笹」をかけて「笹に虎」の絵を連想することからという説や、虎の刻(現在の午前四時半頃)まで酒を飲んでいるからとする説などがあるようです。
「左利き」と「虎」。
そのまま酒飲みといわない昔の人たちの風流さ、粋さを感じますねぇ。

*女房詞(にょうぼうことば)
室町時代初期頃から、宮中などに仕える女官たちによって使われ始めた一種の隠語。
上品で優美な言葉として、後には町家の女性にまで広がった。
赤飯などの強飯を「おこわ」、すしを「すもじ」、豆腐を「おかべ」。また、銭を「おあし」という類いのもの。

2013年1月14日月曜日

発酵? 腐敗? 熟成?


それぞれの言葉の意味は何となく分かると思いますが、説明をするとなると難しい言葉ですよね。
発酵と腐敗は、どちらも微生物がかかわってきます。熟成は時間と空間がキーワードです。

発酵とは・・・
酵母菌(イースト)や乳酸菌が活躍し、糖分などを分解し、有機酸(リンゴ酸、クエン酸、酢酸や酒石酸など)、炭酸ガス等を生じる作用です。

腐敗とは・・・
主に有機物、特にタンパク質が細菌(バクテリア)によって分解され有毒な物質と悪臭を生じる変化です。

熟成とは・・・
様々な外的環境(温度、湿度、時間、空間等)により仕込んだものが、さらに旨味を増して、使える(飲める、食べる、【藍染め等の天然の染料も熟成が必要】等)状態になることを指します。

腐ったお酒というのも最近の醸造技術により少なくなりましたが、昔は、腐造(ふぞう)との戦いで、蔵の醸造責任者である杜氏(とうじ)は腐造になると自らの命を絶ったということも聞きます。酒蔵は、農家からその年のお米を現金で一括購入し、それを製品として販売するには一年以上の長い期間を必要としますので、杜氏の心情も並大抵ではないのです。
腐造は、先に述べた目に見えない細菌(バクテリア)の異常発生によるものなので、タンク一本のみダメになるのではなく、蔵の全部のタンクが既に危険である可能性が高いのです。
現在は、腐造に関する救済方法もあるので昔のようなことは少なくなりましたが、微生物に託す酒をはじめとする発酵と醸造の仕事は危険と背中合わせなのです。

なんだかんだと難しい説明になってしまいましたが、めちゃくちゃ簡単に言ってしまえば、細菌による食品の変質のうち、有益なものは「発酵」で有害なものは「腐敗」なのです。(早く言えよって思った方すいません)

最後に、どうでもいい事だとは思いますが、俗に言う「納豆は腐った食べ物」という言い方は間違いです。

2013年1月12日土曜日

茶色い印は・・・。


突然ですがみなさん、下のような丸い物体を見たことがありますか?

本来は酒蔵の軒先に毎年十一月頃から吊されるものなのですが、最近は(当店もなのですが)、地酒を扱っている酒屋にも吊されているようですね。

これは、「酒ばやし」もしくは、「杉玉」と呼ばれ、「新酒ができましたよ」という合図のために酒蔵の軒先に吊されるものです。

酒屋などに吊されているのは茶色い色をしたものが多いとは思うのですが、本来吊したてのものは緑色をしています。杉玉といわれるくらいですから、杉の葉っぱで作られているのです。

新酒のできた合図として軒先に吊された杉玉は、やがて緑色から茶色へと色を変えていきます。ただ単に杉の葉が枯れていくのですが、これは出来上がった新酒が熟成されていく様を表しているのだそうです。昔、酒通の方達は、この酒ばやしが茶色くなるのを見て、熟成の具合を計り、酒を買い求めたそうです。

子供達には、、不思議な物体のようで、何ともいえない表情で、眺める子もいます。中にはスズメバチの巣かと間違える(大きさはちょうどそれくらい)人もいるくらいです。

太い針がねを骨とした球体に、杉の葉をギュウギュウに詰め込んでいきます(葉っぱがちょうどくさびのように引っかかり、なかなか抜けにくい)。あとは刈り込みばさみで、不揃いの長さの杉の葉が刺さった酒ばやしを丸く整えてつくります。

酒蔵では毎年酒ばやしを作り直すのですが、うちの酒ばやしは茶色くなりっぱなし。ちょっと熟成が進みすぎかもしれませんねぇ。

2013年1月10日木曜日

くさいはうまい?


日本での発酵食品と同じように世界中にある珍しい発酵食品もその地方の気候風土にあった、伝統的なものが多いようです。
今回はその珍しいものの中から、さらに、三大臭料理と言われる、臭〜いものを紹介しましょう。

キビヤック (アラスカ カナダ)
アラスカやカナダの先住民族に伝わる伝統的な発酵食品。羽のついたままの海鳥をアザラシの中に詰めて地中に埋め、長期間乳酸発酵させる。
臭いは強烈ですが、野菜からビタミンが取れない先住民族にとって貴重なビタミン源なのだそうです。

ホンオフェ (韓国)
エイをつぼなどに入れて数日発酵させる韓国の郷土料理です。
刺身として食べるのですが、強烈なアンモニア臭がするので、涙を流しながらマッコリで流し込んで食べるのが通の楽しみ方とされるそうです。
シュールストレミングに対抗する、世界一臭い刺身と言われています。

シュールストレミング(スウェーデン)
ご存知の方も多いかと思いますが、世界一臭い食べ物と言われる、ニシンの塩漬けの缶詰です。その臭さはくさやの6倍以上とされています。
加熱殺菌処理をしていないため、缶の中でも発酵が進み、破裂の恐れがあることから、航空機内の持ち込みを禁じている航空会社がほとんどだそうです。

三大臭料理。
死ぬまでに一度は食べてみたいとはなかなか思えないですよねぇ。
機会があれば、シュールストレミングくらいなら・・・。
どんな臭いなんでしょうねぇ。