2011年2月4日金曜日

飢餓状態?!

この時期酒蔵は、限定醸造の大吟醸酒などを発売してきます。この季節に発売される大吟醸酒は、だいたいが今年の一月から二月頃にかけ仕込まれたもので、搾りたてとはまたひと味違った、フルーティーながらもふくよかな風味を持ち合わせています。
「大吟醸酒は最高の酒米を極限まで磨き、蔵人の力を結集して醸した日本酒の最高峰といえる。」とよく言われます。最高の酒米を極限まで磨くとありますが、なぜお米を磨く(削る)必要があるのでしょうか?

お米を削ることによって酵母(アルコールを造り出す菌の一種)の栄養になる分まで削ることになります。すると、酵母がアルコールを造るときに栄養不足になるのです。
酵母にとっては残酷な話なのですが、寒いところで飢餓状態にさせるのです。そうすると酵母は米から造られた糖分を栄養とすることができず、自分で造ったアルコールを栄養にして生きようとするのです。そうすることによって酵母はアルコールと違う物質を造り出してしまうのです。このアルコールと違う物質が「吟醸香」といわれるフルーティーな香りを発するのです。酵母を極限の状態にさせることにより、お米からは全く想像のつかない香りが造りだされるのです。
お正月のめでたいお料理に、最高峰の大吟醸。
想像しただけで、お口の中も、気持ちもめでたくなっちゃいますね。

断捨離にあやかって

今、「断捨離」という考え方が注目されています。新聞やラジオ、いろいろなところで取りあげられてます。
「断舎離」とは、ヨガの「断業」、「捨行」、「離行」という考え方を応用しているそうで、不要なモノを断ち、捨てることで、モノへの執着から離れ、身軽で快適な生活を手に入れようというものなんだそうです。

この断捨離と言う言葉は、一〇年ほど前に、金沢市に住む主婦が提唱し、ブログを通して広がりました。
単なる整理術ではなく、身の回りをスッキリさせることによって、心の混乱も整理し、前向きな自分に生まれ変わりたいと、子育てに追われる専業主婦や働き過ぎの若者、親の遺品の整理に疲れ果てた五〇代女性など、年代を問わず断捨離にはまっているそうです。

モノの溢れかえる現代、今の自分にとって何が必要で、何が必要でないか。モノだけではなく、生き方や考え方にもこの断捨離という考えを用いるべきかもしれませんね。

そういえば、「省」という言葉。この言葉には、省みて省くという意味があるようです。外務省、財務省など内閣には省の付く省庁があります。仕分け、仕分けと言葉だけが先に進み、本当に無駄なものが無くなるようになるかというと、みなさんも首をかしげることでしょう。「断捨離」の想いを持って頑張ってもらいたいものです。