2009年3月6日金曜日

時間がお手伝い

日本酒やワイン、焼酎などのアルコール類は熟成させる事によってまろやかになり、のど越しがよくなります。ちなみに、熟成とよく似たものとして、「発酵」「腐敗」というものがあります。まず、腐敗と発酵の違いはというと、ただ単に、人間にとって有益かどうかの違いしかないのだそうです。そもそも、腐敗も発酵もメカニズムは同じものです。しかし、腐った豆は食べるとお腹を壊したりしますが、納豆の場合は身体にもいいです。なので、納豆は発酵、食べ残しの枝豆だったら腐敗となるのです。
熟成はというと、この場合は、うま味が増すものを熟成というのだそうです。うま味も増さず、腐っていくだけなら、やはり、ただの腐敗なんですって。
では熟成がすすむと、お酒の中ではどういうことが起こっているのでしょうか。まず、徐々に色が透明だったものが、きいろっぽくなっていきます。これは、アミノ酸と糖が化学反応を起こし、褐色のメラノイジンと呼ばれる物質が生成されるためと考えられています。
しかし、メラノイジンがお酒をおいしくしているとは考えにくく味わいが変化するのは、アルコールとお水が調和するためだそうです。人間の舌はアルコール分子を直接舌に感じるとピリピリとした刺激を感じます。
しかし、アルコール分子を水の分子が包み込むと刺激が弱まりまろやかに感じるわけです。こうした状態になるためにはそれなりの時間が必要で一朝一夕にはできません。 長期間寝かせることで徐々にアルコール分子に水の分子がくっつき、最後には全体を覆うようになる、それを熟成した状態といいます。
最近は技術の進歩で短時間で熟成に似た事も出来るようですが、やはりじっくり時間をかけ自然に熟成させたものには品格が漂うというか、歴史の重さを感じるわけで一味違ったものになるのです。

2009年3月1日日曜日

ただいま接近中!!

最近、ルーリン彗星という彗星が日本に接近しているようです。この彗星は、数万年に一度しか地球に接近しないそうで、ちょっとした話題となっているようです。
彗星と聞いて頭に浮かぶのは、やっぱり「ハレー彗星」ではないでしょうか?ハレー彗星が地球に接近する周期は七六年ということで、この彗星が一番短期間で地球に接近を繰り返すそうです。
前回日本に接近したのは、1986年。この年の接近は、ハレー彗星の過去の全ての出現の中で地球からの観測に最も不向きだったそうで、彗星の光度は過去の出現時のような明るさに達せず、また都市化によって光害が広がった結果、多くの人々は彗星を全く見ることができませんでした。私も、「ハレー彗星が接近!という話は聞くけれど、いったいどこに接近しているの?」という記憶しか残っていません。その前に接近したのは、1910年。天文学や科学が今ほど発展していなかった当時は大騒動だったようです。
当時の様子を調べてみると、
「5月19日にはハレー彗星が太陽面を通過し、尾の中を地球が通過することになった。当時すでに、彗星の尾には有毒のシアン化合物が含まれていることが知られていた。特に、フランスの科学者、カミーユ・フラマリオンの説がもととなり、尾に含まれる猛毒成分により、地球上の生物は全て窒息死すると言う噂が広まった。日本でのその日時は、5月19日11時22分とされた。大衆向けのメディアはこのことを取り上げ、何も起こらないと説明する天文学者をよそに、この話をセンセーショナルにあおった。
日本ではシアン毒説の他に、地球上の空気が一時的に(5分間ほど)無くなるという噂が一部で広まった。自転車のチューブを買い占め、チューブ内の空気を吸って一時的な酸素枯渇に備える裕福な者、水を張った桶で息を止める訓練をする者、全財産を遊びにつぎ込む者、世界滅亡を憂えて自殺する者などが現れたという。だが実際には彗星のガスは非常に薄いため、地球が尾の中を通過してもハレー彗星のガスは地球の厚い大気に阻まれて地表に到達する事が無く、地球及び生命体には何の影響も与えなかった。」
話だけを見ていると、何ともSFチックな話です。次回接近するのは2061年となっているようです。