2014年3月21日金曜日

日本人らしさ

日本酒は世界的に見てもまれな醸造方法によって造られます。それは「並行複醗酵」という醸造方法です。アルコールは糖分を醗酵させて造られます。

ワインなどはもともとと原料が糖分を持っていますので、そのまま酵母を添加すれば「アルコール発酵」が起こります。これを「単醗酵」といいます。

ビールはというと、原料は麦。麦はもともと糖分を持っていませんので、発芽をさせます。「麦芽」という言葉をお聞きになったことがあると思いますが、発芽をさせることによって糖分が生成されるのです。
この「糖化」という行程と「アルコール発酵」という行程を別々の場所で行うのでこれを「単行複醗酵」といいます。

さて日本酒ですが、これまた原料の米には糖分がありません。
この場合はどうなるのかというと、最初に述べたように、日本酒は「並行複醗酵」と言う方法で造られます。

「複発酵」というのは、「糖化」と「アルコール発酵」の二回の工程があるお酒です。
それに加え、「並行」とは何かと言うと、その「糖化」と「アルコール発酵」を同じタンクで同時にやってしまうということなんです。

アルコールを造る、「酵母」というものは「糖分」をえさにして生きています。

しかし糖分がたくさんあるときは「糖化」の作業を辞めてしまいます。
ということは、「単行」(糖化とアルコール発酵を別に行うこと)の工程だと1回目の「糖化」は自然と止まってしまうのです。そしてアルコール発酵とやってもせいぜい10度ぐらいのアルコール度数しか造ることが出来ないのです。
それに比べ、「並行」の発酵をさせると、「糖化」でできた「糖分」を「アルコール発酵」で消費します。そうするとそこで止まっていた「糖化」がまた始まるのです。
また「糖分」が増えると「アルコール発酵」が行われ、アルコールが増えるという連鎖ができるのです。

しかし酵母はアルコールの中では生きてはいけません。
アルコール度数が20度ぐらいまで上がると酵母は活動を停止しまうのです。
これを「完全発酵」と呼びます。
ということで、日本酒は醸造酒の中で世界アルコール度数の高いお酒なのです。

しかしその管理が難しい。
まさに高い醸造技術が必要なんです。
ここがまた日本人らしい。
さすが世界一の技術大国、日本。
その技術があってなせる「技」なんですね。

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2014年3月20日木曜日

体もよろこぶ日本酒

日本酒のカロリーは高いと思われがちですが、実は日本酒には私たちの健康に関するおもしろい効果があるとされています。
例えば、コレステロールの話をしてみますと、皆さんもご存知のように、コレステロールの中には善玉と悪玉に2種類があるとされています。
善玉には組織や血管に溜まってしまったコレステロールを肝臓へと逆輸送することによって代謝処理してくれる効果があり、この効果を増大させるのが実は適量の飲酒だとされています。

さて、日本酒の中にはというと、悪玉よりも善玉の方が多く含まれています。善玉と悪玉について、総カロリー数が高くても善玉よりも悪玉の方が多ければ動脈硬化が進みにくくなるとされているため、日本酒の適量な摂取は我々の健康にとって、むしろいいものだと言えることができるかもしれません。

また、日本酒には制ガン効果もあると言われています。
疫学的研究によって証明されているように、日本酒にはガンの発生を軽減する効果があるのです。
その他にも人のガン細胞の上に日本酒の濃縮液を添加するという実験を行ったところ、ガン細胞の増殖が抑制されたという結果も出ています。
さらに日本酒には100種類以上もの微量成分があり、その中のいくつかがガン細胞の増殖を抑制する効果を生むとされています。

以上のようなことから、日本酒は高カロリーであるから肥満に繋がるということはできないのです。
日本酒そのものが肥満の原因になるのではなく、むしろ一緒に食べる食べ物で摂取されるカロリーに原因があるのです。
そのため、肥満を気にする人は日本酒を飲まないようにするというよりは、普段の食生活を見直してみるかお酒と一緒に食べている食べ物を見直してみるといいでしょう。

永谷園のCMより
また、最近何かと石川県出身の遠藤が話題になっていますが、日本酒を多く飲むお相撲さんは肌が綺麗だとも言われています。
この理由は、日本酒は他のお酒と比べて、飲むと、より長時間体温を2度ほど高く保つことができるためです。
皮膚の表面の血液循環がよくなるため、日本酒を飲んでいるお相撲さんはお肌がつるつるで綺麗なんだそうです。

でも、いくら体にいいからといって、飲み過ぎは禁物ですよ。

久しぶりにおいしい日本酒でも飲んでみようかと思ったあなたはこちら。