2012年11月13日火曜日

チーズ


ヨーグルト同様、牛乳などを乳酸菌によって発酵させて作るチーズ。
熟成がすすんだものほど乳酸菌の働きが活発です。
また、乳酸菌が生み出すグルタミン酸の効果でコクと旨みが増します。
そんなチーズですが、お好きな方も多いのではないでしょうか?


チーズが体においしい4つの理由

①乳酸菌が善玉菌を増やして腸内環境を整える
牛乳を乳酸菌の力で発酵させて作るチーズ。乳酸菌が活発に働くことによって発酵がすすんでいくので、熟成したチーズほど乳酸菌のパワーが強いとされています。

②ビタミンB2が代謝をサポート、ビタミンAが免疫機能をアップ
チーズ=「太る」というイメージがありますが、実はビタミンB2が、豊富なエネルギー代謝を促す働きの高い食品なのです。
また脂質に溶け込んでいるビタミンA、は免疫機能を活発にするといわれています。

③カルシウム量は牛乳の6倍。吸収率も高い!
牛乳の栄養分が凝縮したチーズはカルシウム量も豊富です。発酵の際に消化途中のような吸収の良い状態になっているうえ、チーズのタンパク質がカルシウムの吸収をバックアップするのです。

④肝機能を高めてアルコールの分解をスムーズにする
肝臓の働きを助けアルコールを分解を促す必須アミノ酸・メチオニン。
この成分がチーズには多く含まれています。ワインと一緒にチーズを食べるのは理にかなっていると言えるのです。

栄養満点な食材「チーズ」。
子供さんの食事にも積極的に取り入れてみませんか?

たかがボージョレ、 されどボージョレ。


この時期、ボジョレー・ヌーヴォーの文字をよく見かけるようになります。
フランスのブルゴーニュ地方ボジョレー地区で造られる新酒で、綺麗なルビー色の赤ワインです。
毎年11月の第三木曜日午前0時に販売が解禁される(2012年度は11月15日)このボジョレーは、ブルゴーニュの南にあり、ガメイ種という葡萄から造られる、フルーティーで若々しく、柔らかなAOCワインです。
ボジェレー・ヌーボーは、その年に収穫されたブドウで造られた新酒であり、ブドウが良質であるかを確認するためのものでもあります。
季節の楽しみとして、毎年世界中のワイン好きが待ちわびるヌーヴォーは美味しさを最大限に引き出すために、マセラシオン・カルボニック醸造法を駆使して造られます。

* マセラシオン・カルボニックとは、急速で発酵させ短期間でワインに仕上げるために、ブドウを潰さずにそのまま発酵させる醸造法。
軽快で渋みがほとんど無くやさしい口当たりで、はじめての方でも飲みやすいワインとされます。

ちなみに輸入量第1位は日本であり、全生産量の約4分の1を占めているそうです。

「ヌーヴォー」と「プリムール」
最近、造り手によっては「ヌーヴォー」ではなく「プリムール」と表示している場合がありますが、どちらも「新酒」という意味になります。
醸造所によって、は早飲みタイプのヌーヴォーとは違い、熟成できるワインという意味で「ヴァンドプリムール」と表記しているところもあるようです。
軽いからと行って、敬遠されることもあるボジョレーですが、この『プリムール』タイプの中には、別格の味わいを持つものも、実はあるのです。


上のラベルが、まさにその別格のワイン。驚愕です。
ドメーヌ・ヴィスー
ボージョレ・プリムール"キュヴェ・ヴィエイユヴィーニュ”
750㎖ 3,650円

他にもいろいろと揃えてます。
ぜひお問い合わせください。

八重巻酒店 0776-56-0102



2012年10月4日木曜日

パンも発酵食品です。


パンをふっくらおいしく焼き上げるのに不可欠なパン酵母は、腸内の善玉菌を増やす働きをするといわれています。
サワー種など乳酸菌を活用して作るパンも増えていて、ダブルで効果が期待されています。

パンがカラダにおいしい2つの理由
①パンのふくらみのもと、酵母(イースト)が糖を分解&腸内環境をととのえる
パンがふくらむのは、パン生地に含まれる糖質を酵母が分解し、発酵する際に炭酸ガスが発生するため。
酵母は糖質を分解して代謝を促すほか、発酵によって活性化し、腸内環境をととのえる働きがあります。
パンに使われる酵母のほとんどは、サッカロマイセス・セレンビシエという種類の酵母で、コハク酸などの有機酸を出してうまみを作ったり、グルテンをやわらかくする効果もあります。

②乳酸菌が善玉菌をサポート。酵母の働きを助ける役割も
一般的には酵母の働きが中心ですが乳酸菌も含まれています。
パン屋さんなどで多く使われる生イーストには一gあたり数億個の乳酸菌がいることがわかっています。
発酵時間を長くすることで乳酸菌は、増え乳酸菌が作る乳酸が雑菌の繁殖を防いで酵母が働きやすい環境をととのえています。
特に酸味の強いライ麦パン、サワーブレッドやパネトーネなどには乳酸菌が生かされています。

最近は、本当にたくさんのパン屋さんを町で見かけることになりました。
おかげで、おいしい焼きたてのパンを食べる機会が増えたのではないでしょうか?
たまにはおいしい焼きたてパンに、ワインを合わせて、休日のランチなどいかがでしょうか?

甘辛だけじゃありません


秋の旬のお酒といえば、やっぱり日本酒。
日本酒の裏ラベルには、「日本酒度」というものが書かれています。
今回はこの日本酒度というものについて少しご説明を・・・。
ざっくりと言いますと、日本酒の「甘い」「辛い」を表す手法としてこの日本酒度というものは用いられます。
「日本酒度」は、水(±0)に対する酒の比重を「日本酒度計」というもので計ったものです。
その計り方はといいますと、15℃の日本酒(44℃の純水と同じ比重になる)に釣りの浮子のような形をした日本酒度計を浮かべると、見た目通りお酒に浮かべます。お酒の水面と同じ位置の目盛りを見て数値を計るのです。
この比重は、糖分を中心とするエキス分が多い酒ほど重くなり沈んでマイナス(-)の値に、エキス分が少ない酒ほど軽くなり浮かんでプラス(+)の値になるのです。
また、「甘い」「辛い」には、さらに酸度も関係してきます。
「酸度」は酒中の有機酸(乳酸、コハク酸、リンゴ酸など)の量を表しています。
有機酸は、酒の味に酸味、旨味をもたらすのです。
日本酒度のマイナスの数字が大きいほど濃醇で甘く、プラスの数字が大きいほど淡麗で辛い傾向にあるといわれますが、あくまでも日本酒度とはひとつの「甘辛」の目安であり、実際には酸度によっても感じ方が変わります。
日本酒度が同じお酒で比べても、酸度が高いと甘味が打ち消されて辛く、逆に酸度が低いと甘く感じるのです。
甘み、辛み、酸味、それぞれのバランスがお酒の味わいを左右するのです。


2012年8月25日土曜日

黄、黒、白?


 米・麦等の麹原料を蒸し、蒸し上がった原料に麹菌を生育させたものが麹です。
麹を造ることを製麹といいますが、主に日本酒に使われるのが「黄麹」で本格焼酎に使われるのが「黒麹」や「白麹」です。
 焼酎などで見かける白、黒というのは麹のことなんです。

 ① 黄麹(アスペルギルス オリゼー)おもに日本酒で用いられている黄麹は焼酎製造でも明治40年代までは使われていましたが、九州が温暖な地域の為もろみが腐造するということが多かったので現在焼酎造りにはほとんど使われなくなりました。

 ② 黒麹(アスペルギルス ニガー)もろみの腐造が多かった為、明治末期に注目されたのが、沖縄の泡盛製造で使われていた黒麹菌です。
 黒麹菌を使ってみると一切腐造が無くなり、焼酎の収得量も増えました。
 これは黒麹菌が生成するクエン酸が腐造防止に大きな効果があることがわかったからです。

 ③ 白麹(アスペルギルス カワチ)大正時代に入り、それまで作業者の体や衣服を黒く汚す欠点のあった黒麹菌から突然変異により白麹菌が誕生しました。
 白麹菌は黒麹菌と同様クエン酸生成力が強く、汚れをなくし焼酎の味と香りをソフトにする菌でした。
 そしてこれらの良さが昭和20年代から広く知れ渡るようになり、白麹菌は普及していきました。

 九州で焼酎造りが盛んなのも、気候の影響があります。
上記の通り、温暖な気候のため製造過程でお酒が腐敗してしまうからです。
それと同時にその土地の食文化も大いに影響しています。
 南の地方はどちらかというと甘みが強かったり、脂分の多い食べ物が多い傾向になっているようです。
もともとアルコールの強い焼酎のようなお酒は口中の脂分を流してさっぱりさせるという作用が強いので、こってりとした味付けのものと相性がよいようです。
 さっぱりとしたお刺身のようなものには、焼酎は勝ちすぎてしまい、あまり相性の良いものとはいえないようです。
 どちらかというと日本酒の相性の方が良いようですね。

2012年7月12日木曜日

色も風味も違う お酢のいろいろ


 穀物酢、米酢、黒酢、ワインビネガー、バルサミコ酢、リンゴ酢などなど。人類は作り出した最古の調味料といわれるお酢は、お酒を酢酸発酵させることから生まれ、日本へもお酒の技術とともに中国から米酢が伝えられたと言われています。
 現在、料理やドリンクに流通している食用酢は、科学的な方法で合成された酢酸に頼らない醸造酢がほとんどです。お酢は、米や麦が原料の「穀物酢」と、果実が原料の「果実酢」野大きく二つに分けられます。クエン酸や酢酸に代表される有機酸、アミノ酸が何種類も含まれ、それらが味の風味の違いを生み出しています。


お酢がカラダにおいしい4つの理由
①クエン酸のパワーで疲労回復
 クエン酸の働きは、疲労物質である乳酸をできにくくします。お酢に含まれているクエン酸はほんの少しなのですが、たっぷり含まれている酢酸などの有機酸が体内でクエン酸に変化するため、疲労回復効果は抜群なのです。
②食欲&消化吸収をアップ
 さっぱりとした酸味と香りは、口や胃での消化液を増やして食欲や消化吸収をアップ。クエン酸が胃の働きを助けるため、タンパク質の消化やカルシウムの吸収が良くなります。
③生活習慣病改善やダイエット効果も期待
 お酢を摂取して体内がアルカリ性に近づくと、新陳代謝が活発になり、血液もサラサラに。アミノ酸の働きで脂肪燃焼酵素も活発になります。一日大さじ一杯のお酢をとり続けると、血中コレステロールや高血圧、血中脂質が低下し、食後の血糖値の上昇が穏やかになることがわかっています。
④殺菌効果により腸の動きを活発に
 殺菌効果があるお酢は、エコナお掃除アイテムとしても使われますが、体の中でも同じような働きが。有害物質が減って腸内環境が改善され、腸の動きが活発になることで便秘解消。肌荒れや口臭予防も期待できます。
 これからの暑い季節、疲れを感じる時や何となく食欲のない時にお酢を活用してみてはいかがでしょうか?
苦手な人も敬遠せずに、自分にあったお酢を、いろいろと探してみてください。(発酵パワー参照)

きいてみます?


「きき猪口」とは、日本酒を「きき酒」する際に使う、本来は業務用の器のことです。白い磁器製で内側の底に青い輪が2つ描かれています(蛇の目模様)。この蛇の目の部分でお酒の透明度(サエ・テリ)を判断するのです。

さて、きき酒の方法ですが、以下の順番で行います。
①まず色を見る。
②香りをかぐ。きき猪口の中に鼻がすっぽりつっこんでください。
③口に含みますがだいたい3〜7㎖ほど入れて舌全体に行き渡るようにして味を確かめます。
④用意しておいた吐器に吐き出し口の中の香りを感じます。
四番目のはき出すというのはたく
さんきき酒する時には全部飲んでいると酔ってきて味がわからなくなるからです。種類が少ない時は、むしろ飲み込んでのど越しやキレを確かめた方がよくわかると思います。

さて、酒を味わうことを、なぜ「きく」というのでしょうか?

日本語の「きく」という言葉には多くの意味があり、この音を持つ漢字も「聞く」・「聴く」・「利く」・「効く」 などいろいろあります。『広辞苑』によると、「聞く・聴く」(利くとも書く)には「物事をためし、調べる」という意味もあり、その語義を細分すると、嗅ぎ試みること、味わい試みること、などに分けられます。

いずれも「きき酒」の意味に通じていることから、「酒をきく」の「きく」は上記の「聞く」から来たのではないかという説があるのだそうです。日本語って奥が深いですね。


2012年6月5日火曜日

臭くったって、旨いんです。


タンパク質、脂質、カルシウム鉄、カリウムやビタミンなど、さまざまな栄養成分が豊富に含まれている納豆。大豆から生まれるこの発酵食品は体を丈夫にするだけではなく、認知症を予防するパワーも兼ね備えているのです。

納豆がカラダにおいしい4つの理由

①栄養の宝庫と言われる優秀食品
 納豆は昔から、『薬にもなる食品』といわれてきました。それは納豆には良質のタンパク質を筆頭に、脂質、カルシウム、鉄、カリウムや各種のビタミンなど、さまざまな栄養が含まれているからです。中でもタンパク質は納豆100g中に16〜17%もあり、それは牛肉のタンパク質量にも匹敵。納豆はまさに栄養の宝庫といえます。

②血液をサラサラに
 納豆の注目すべきもうひとつの成分がナットウキナーゼという酵素です。ナットウキナーゼは免疫力を高め、血栓を溶かす働きがあり、血液をサラサラにしてくれます。ただし、ナットウキナーゼは熱に弱いという欠点も。血液サラサラ効果を期待したいなら、そのまま食べるのがおすすめです。

③骨を丈夫に
 納豆には骨を丈夫にする働きのある大豆イソフラボンとビタミンKが豊富です。大豆イソフラボンは、古い骨が壊れるのを抑制し、ビタミンKは新しい骨を作るのにも役立ちます。とりわけ、成人が一日に必要とするビタミンKの量は納豆1パックで十分にとることができます。

④認知症予防にも期待
 納豆に含まれるレチシン、それを構成するコリンという成分は認知症を防止する効果があります。これらの物質は前に紹介したビタミンKと一緒になって脳を活性化させて認知症の進行を抑える働きがあります。また血液サラサラ効果のある納豆キナーゼのおかげで脳血栓や動脈硬化などの生活習慣病を防ぐことができます。(免疫力を上げる発酵パワー 参照)

見事に万能な栄養素を持った納豆。好き嫌いはかなりあるとは思いますが、嫌いな方も、薬味をたっぷりと入れて頑張って食べてみてください。

鉄は苦手なんです。


「酒造りの命」と言われる水ですが日本酒造りに使われる水は、川を流れる水ではありません。地面にしみ込んだ水が、長い年月をかけて地中深くにある礫層(れきそう)にたどり着き、濾過され、清められた水で、大地と時間との協力で、磨かれた水こそが日本酒造りには最適なものとなるのです。
日本酒の成分の約2割はアルコール、糖分、アミノ酸などですが、残り8割は水です。清浄な水は日本酒造りに欠かせないものです。日本酒を造るためには、仕込むお米の量の約10倍の水が必要になります。

水に含まれる成分の中でもっともさけたいのは、鉄分。
鉄分は麹菌がつくるデフェリフェリクリシンという物質と結びついて、赤橙色のフェリクリシンという物質になり酒を着色させるため、できるだけ少ない方が良いのです。
酒造用具にも酒が触れる部分は鉄を使わないようにしているほどです。
醸造用水の条件は、水道水の水質基準よりも厳しいものとなっています。細かい数値を挙げてみますと、鉄分の場合、水道水では0.3ppm以下ですが、醸造用は0.02ppm以下の水でなければならないとされているのです。

先にも述べたように、水は清酒の成分の8割以上を占め、その成分が酒質に大きく影響します。
特に原酒の割水では、びん詰め直前に製品としてのアルコール度数まで薄めるため、水を3割以上も加えるのです。
水の成分の良し悪しが酒質に直接影響するのはいうまでもありません。
環境活動を行っている蔵元もたくさんありますが、自然と共存をしていかなければ酒造りはできないのです。

名水のあるところに、銘酒ありなのですが、これからは銘酒のためにも名水を守り続けていかなければならないのです。

2012年5月10日木曜日

日本人らしさ


日本酒は世界的に見てもまれな醸造方法によって造られます。
それは「並行複醗酵」という醸造方法です。
アルコールは糖分を醗酵させて造られます。
ワインなどはもともとと原料が糖分を持っていますので、そのまま酵母を添加すれば「アルコール発酵」が起こります。これを「単醗酵」といいます。
ビールはというと、原料は麦。麦はもともと糖分を持っていませんので、発芽をさせます。
「麦芽」という言葉をお聞きになったことがあると思いますが、発芽をさせることによって糖分が生成されるのです。
この「糖化」という行程と「アルコール発酵」という行程を別々の場所で行うのでこれを「単行複醗酵」といいます。

さて日本酒ですが、これまた原料の米には糖分がありません。
この場合はどうなるのかというと、最初に述べたように、日本酒は「並行複醗酵」と言う方法で造られます。
「複発酵」は、「糖化」と「アルコール発酵」の二回の工程があるお酒です。
それに加え、「並行」とは何かと言うと、その「糖化」と「アルコール発酵」を同じタンクで同時にやってしまおうということなんです。

アルコールを造る、「酵母」というものは「糖分」をえさにして生きています。
しかし糖分がたくさんあるときは「糖化」の作業を辞めてしまうのです。
ということは「単行」(糖化とアルコール発酵を別に行うこと。)の工程だと一回目の「糖化」は自然と止まってしまいます。
そしてアルコール発酵とやってもせいぜい10%ぐらいのアルコールしか造ることが出来ないのです。
それに比べ、「並行」の発酵をさせると、「糖化」でできた「糖分」を「アルコール発酵」で消費します。
そうすると止まっていた「糖化」がまた始まるのです。
また「糖分」が増えると「アルコール発酵」が行われ、アルコールが増える連鎖ができるのです。
しかし酵母はアルコールの中では生きてはいけません。
アルコール20%ぐらいまで上がると酵母は活動を停止します。
これを「完全発酵」と呼びます。
と、いうことで日本酒は醸造酒の中で世界一アルコール度数の高いお酒なのです。
ですが、その管理が難しい。まさに高い醸造技術が必要なんです。

これがまた日本人らしい。
さすが世界一の技術大国、日本。
その技術があってなせる「技」なんですねぇ。

宇宙から見張ります・・・


「おいしいお米」といわれるものはどういったお米なのでしょうか?
「おいしいお米」の条件の一つにはタンパク質が少ないこと、いわゆる低タンパク米であるということが挙げられるそうです。
一般的に、タンパク質含有率の高い米は食べたときに硬いと感じるのですが、これは栽培環境によって改善できるものなのだそうです。
現在、低タンパク米を生産するために、土壌・栽培管理技術の改善が進められてはいますが、さらに集荷段階では品質管理の重要性が増し、米粒タンパク含有率および整粒歩合によるランク付けが行われています。
しかしながら、現在現場で実施されている測定手法では、地域全体の米粒タンパク含有率を把握するにはたいへんな時間と労力を要するそうなのです。
驚くことに、国内では人工衛星とICT(通信情報技術)を利用した米作りが行われているというのです!いわば「人工衛星米」!
JA越後さんとうによりますと「出穂後10日以降の稲を赤外線で測定すれば、葉に含まれる葉緑素量と玄米のタンパク含量がほぼ一致することが分かるため、収穫される米の品質の安定化、平準化に役立つ。」そうなのです。
低タンパク米というのは、酒米にとってももちろん有効であり、キレの良いお酒の必要条件となります。
「久保田」醸造元である朝日酒造もこの人工衛星によるデータを取り入れているそうです。
最近のテクノロジーの進歩には本当に驚愕させられます。テクノロジーが社会を豊かにするといわれます。ドラえもんに描かれた世界も、もうそこまで来ているのかもしれませんね。



2012年4月20日金曜日

うまみ成分だけじゃない

以前ご紹介した、世界一堅い食べ物「鰹節」。
今回は、その鰹節が体においしい三つの理由をご紹介します。
歴史が古く古事記にも記述が見られる鰹節。戦国時代には「勝男武士」に通じるところから珍重され、引き出物にも使われるようになりました。
さまざまな栄養素を含み、疲労回復や集中力アップも期待が持たれるのです。

①高タンパク&低脂質のヘルシー食材
だし汁の材料というイメージが強い鰹節は、高タンパクで低脂質な優れた食材です。
細胞や肌などの原料になるタンパク質は、ダイエット中でもしっかりと摂取したい栄養素。
脂質や糖質より、消化する際に使われるエネルギー量が大きいことも特徴のひとつです。

②ビタミンB群やミネラルもたっぷり
鰹節には、エネルギーの代謝に欠かせないビタミンB群が豊富です。
貧血の予防や改善に役立つミネラルのほか、アミノ酸の働きで、疲労回復や集中力アップにも効果が期待されるのです。

③濃いうまみで満足感がじんわり
最近の研究によると、鰹節に含まれるアミノ酸の一種であるヒスチジンは、満腹感を高める働きがあるそうです。ダイエットの強い見方としても役立つのです。

子供の頃、湯豆腐やおろし蕎麦を食べる時に鰹節削り器(大工道具のカンナをひっくり返したようなもの)で、鰹節を削らされました。
今はパックの削り節が主流で、鰹節の塊なんで実際に見たことがないという方も多いのではないでしょうか?
そんなことしたことないという方はぜひおためしください。
ステンレス製の削り器もそろえてますよ。


本枯節


厳選された一本釣りの鰹を、備長炭の原料薪をもって燻し上げる古法(手火山式)にて仕上げます。ぜひ、ご家庭で少し手間をかけ削りたての本物の味をご賞味下さい。
200g 2,100円(税込み)

酒は百薬の長

昔から酒は百薬の長と言われ、日本酒は体に良いものとして飲用されています。今回は、その健康効果についてほんの一部ですが、ご紹介します。
① ガンを抑制
日本酒および酒粕は、ガン細胞を殺す作用(免疫力を増大)をもっていることを愛媛大学医学部の奥田教授が見つけ、秋田大学医学部の滝澤教授は日本酒にガンを抑制する物質が含まれていることを発見しました。
また、日本酒の適量飲酒が肝ガン・肝硬変を予防する可能性を報告しています 。
国立ガンセンターの平山博士も17年間の疫学調査の結果、毎日適量の日本酒を飲む人はまったく飲まない人に比べて、大腸ガン・胃ガンにかかる危険性が少ないと報告しています。
明らかに日本酒は、ガンに対して有効なアルコール飲料であると言えるでしょう。 

② 糖尿病を予防
つい最近までは、糖尿病患者にとって日本酒の飲酒は良くな いというレッテルがはられていました。
しかし最近、糖尿病を予防すると考えられるインシュリン様物質が、日本酒や酒粕中に存在することが愛媛大学医学部の 奥田教授によって発見されました。
日本酒を適量飲酒することにより糖尿病を予防する機能があることが見出されつつあるのです。

③ 美容効果
日本酒には「保温保湿効果」のあるアミノ酸や有機酸、グリセロールなどの成分も含まれています。
また、「老化防止効果」のあるフェルラ酸という坑酸化物質も含まれています。
さらに、「あれ肌予防効果」のあるαーエチルグルコシドという物質も含まれています。
女優の藤原紀香さんが、日本酒風呂を実践して完璧ボディを維持しているって話は有名ですよね。
ちなみに日本酒風呂の入浴法は、ぬるめ(40℃くらい)のお湯に日本酒(純米酒が理想的)を3~4合(540㎖~720㎖)程度注いで、よくかき混ぜて入浴するというもの。体を芯から温め、お肌をしっとりツヤツヤにしてくれますよ。

あくまでも適量が条件です!

2012年3月2日金曜日

桜と日本人

少し気が早いのですが、今回はお花見とお酒のお話を。
満開の桜の樹の下で食事をしながらお酒を飲む。昔から花より団子といいますが、その実態は花より酒。私たち日本人がもっとも心躍らせる酒宴が花見ではないでしょうか?
花見といえば有名なのが、豊臣秀吉が秀頼、北政所、淀君らをはじめ約1300人の家臣を従えて催した醍醐の花見(1598)。この日のために700本もの桜を植えさせたといいますから、その豪華さは想像もつきません。しかし、何で日本人はこれほどまでに桜を愛して止まないのでしょう。
花見の歴史は古く、奈良時代にはすでに行われていたようです。しかしこの頃は梅見であり、桜に変わったのは平安時代からだとされています。桜はつぼみがほころび始めるとパッと咲き、その役目を終えるとパッと散ります。生命力の強い木であると同時に、潔さを併せ持つあたりが日本人の美意識に共鳴した、との説が有力のようです。庶民に花見が定着するようになるのは江戸期からで、この頃はすでに花見という名目でどんちゃん騒ぎが行われていたようです。冒頭に書いたように、いつの時代も花より酒のようです。
江戸の庶民であろうと、今の私たちであろうと、いずれにしろ、花見にはお酒がつきものです。桜の下に寄り集まって酒食を楽しむのは、日本人の心の奥底にすり込まれた、日本ならではの風景なんでしょうねぇ。
大人の花見には美味しいお酒を揃えたいものです。この時期のアウト・ドアで楽しむとすれば、次の三ポイントを満たすお酒なら、なおよし。

・冷蔵庫がなくても常温(冷や)で香味を楽しめる
・お花見弁当の味わいを引き立てる
・ボトルをそこに置くだけで、花見気分が盛りあがる

桜の風情に目を見たし、美味しいお酒と料理で舌を満たし、素敵に盛り上がりましょう。

世界一臭い食べ物

みなさん、世界一臭い食べ物って何だか知ってますか?
テレビ等でたまに取り上げられる事もあり、ご存知の方もいらっしゃるとは思います。
それはいったい何かと言いますと、スウェーデンで作られいている「シュールストレミング」というものです。
シュールストレミングは、主にスウェーデンで作られる、ニシンの塩漬けを缶の中で発酵させた発酵食品です。
スウェーデン語で「シュール(Sur)」は「酸っぱい」を、「ストレミング(strömming)」はバルト海の「ニシン」を意味します。
その強烈な臭いから、「世界一臭い食品」とも呼ばれているのです。
「通常、缶詰は中身が加熱殺菌されている為、缶の中で菌の繁殖・発酵は起こらない。
しかし、シュールストレミングは春先の産卵期にある最も良い状態のニシンを獲り、樽の中にニシンと塩を交互に重ねて一か月から二か月漬け込んだ後、まだ発酵中のニシンを缶詰にして殺菌しない状態のままフタがされるため、密封後も缶の中では発酵が継続している。
発酵が続くとガス(二酸化炭素など)によって円筒形だった缶が丸く膨らむほどになる。こうした状態の缶はスウェーデン各地のスーパーマーケットでよく見られる。」
(ウィキペディアより)
その臭いはと言いますと、日本で臭い食品としては「くさや」が有名ですが、その約六倍の臭さがあるとされています。
怖いもの見たさという言葉がありますが、このシュールストレミングに対してはまさに「臭いもの嗅ぎたさ」。
一度でいいから臭いを嗅いでみたいものです。
一度ぜひ、もちろん屋外でバーベキューでもやって、シュールストレミングを開けてみたいのですが、その時にはみなさんも一緒にいかがですか?

2012年2月13日月曜日

もち米×米麹×米焼酎。 米の掛け算で 生まれる妙味。

みりんひとつで料理の見た目も味わいも全く変わります。
ご存知の方も多いと思いますが、良いみりんを使うと料理がぐっとレベルアップします。味わいに深みが出るだけでなく、照り具合が全然違うんです。

みりんの歴史は古く、中国清明の時代の『湖雅巻八造醸』という書に「密淋(ミイリン)」と呼ばれる甘いお酒があったという記述があります。
「淋」は「したたる」という意味で、密がしたたるような甘い酒と解釈されており、 このようなお酒が、戦国時代の頃、琉球や九州地方に伝来し「蜜淋」「美淋」といった漢字があてられたのだそうです。

本みりんは、蒸したもち米、米麹、焼酎もしくはアルコールを原料にし、四〇日~六〇日間かけて糖化・ 熟成させます。
このあいだに米麹中の酵素が働いて、もち米のデンプンやタンパク質が分解されて各種の 糖類、アミノ酸、有機酸、香気成などが生成され、本みりん特有の風味が形成されるのです。

もち米×米麹×米焼酎。
米の掛け算で生まれる妙味。

この妙味のご経験がまだの方はぜひ一度おためしください。

生酒? しぼりたて? あらばしり?

今回は、この三つのタイプのお酒の違いについてです。
この時期に入荷しているお酒のほとんどのお酒がこのタイプのお酒になります。

「生酒」とは、火入れ(腐敗を防ぐために低温[六〇〜六五℃」で行われる加熱殺菌の行程)という作業を一切していないお酒で、日本酒本来の甘味や酸味、旨味、渋味などを充分に楽しめるお酒です。しかし、火入れをしていないので変化しやすく管理のたいへんなお酒になります。
また「しぼりたて」とは、生酒の中でも上槽したばかりのまだお酒の中に炭酸をわずかに含んだようなフレッシュなお酒の事です。
「あらばしり」とは、槽の中に酒袋を積んでゆくとその重みだけで、白濁したお酒が流れ出てきます。その最初に出てきた部分のお酒の事をいいます。
ちなみに、その次の徐々に圧力をかけはじめた部分を「中取り」最後に圧力をかけきった部分を「責め」と言います。
つまり「生酒」は何年経っていようと「生酒」なのですが、「しぼりたて」「あらばしり」は、その時期にしか味わえない季節商品なのです。

日本酒には季節によってさまざまろなタイプのお酒があります。
冬には、できたてのフレッシュなしぼりたて。または、もろみの残ったにごり酒。
にごり酒でももろみをほんの少しだけ残した霞酒。
夏には、爽やかな生酒。
秋には、味わいのあるひやおろし。
日本人らしく、季節をそれぞれに楽しむ事ができるのです。

この時期にしか味わえない「しぼりたて」。フレッシュでフルーティーな味わいを楽しまないと、もったいないですよ!