2012年8月25日土曜日

黄、黒、白?


 米・麦等の麹原料を蒸し、蒸し上がった原料に麹菌を生育させたものが麹です。
麹を造ることを製麹といいますが、主に日本酒に使われるのが「黄麹」で本格焼酎に使われるのが「黒麹」や「白麹」です。
 焼酎などで見かける白、黒というのは麹のことなんです。

 ① 黄麹(アスペルギルス オリゼー)おもに日本酒で用いられている黄麹は焼酎製造でも明治40年代までは使われていましたが、九州が温暖な地域の為もろみが腐造するということが多かったので現在焼酎造りにはほとんど使われなくなりました。

 ② 黒麹(アスペルギルス ニガー)もろみの腐造が多かった為、明治末期に注目されたのが、沖縄の泡盛製造で使われていた黒麹菌です。
 黒麹菌を使ってみると一切腐造が無くなり、焼酎の収得量も増えました。
 これは黒麹菌が生成するクエン酸が腐造防止に大きな効果があることがわかったからです。

 ③ 白麹(アスペルギルス カワチ)大正時代に入り、それまで作業者の体や衣服を黒く汚す欠点のあった黒麹菌から突然変異により白麹菌が誕生しました。
 白麹菌は黒麹菌と同様クエン酸生成力が強く、汚れをなくし焼酎の味と香りをソフトにする菌でした。
 そしてこれらの良さが昭和20年代から広く知れ渡るようになり、白麹菌は普及していきました。

 九州で焼酎造りが盛んなのも、気候の影響があります。
上記の通り、温暖な気候のため製造過程でお酒が腐敗してしまうからです。
それと同時にその土地の食文化も大いに影響しています。
 南の地方はどちらかというと甘みが強かったり、脂分の多い食べ物が多い傾向になっているようです。
もともとアルコールの強い焼酎のようなお酒は口中の脂分を流してさっぱりさせるという作用が強いので、こってりとした味付けのものと相性がよいようです。
 さっぱりとしたお刺身のようなものには、焼酎は勝ちすぎてしまい、あまり相性の良いものとはいえないようです。
 どちらかというと日本酒の相性の方が良いようですね。